双子の妹は、五年前に亡くなりました。
生前、妹は私の物をいつも欲しがってました。
「お姉ちゃん、これちょうだい。」
これが妹の口癖でした。
今でも、たまに妹は私の前にあらわれます。そしていろんな物を指差し、
「お姉ちゃん、これちょうだい。」
と言います。
大好きな紅茶、
有名店のケーキ、
私の化粧品、
その度に私は、妹が欲しがってた物を持ってお墓参りに行きます。
昨日の夜、久しぶりに妹があらわれました。そして、何時もの様に言いました。
「お姉ちゃん、これちょうだい。」
それは…
彼からもらったピアス…
「お姉ちゃん、これちょうだい。」
彼からもらったワンピース…
そして私の彼が寝てるベッドを指差しました。
私は、(まさか!)と息を飲みました。
妹は私の彼を指差して、
「お姉ちゃん、これ…は…いらないや…」
と言って消えました。
私は、ヨダレを足らしながら鼾をかいている彼を見ながら、
(だよね…)
と呟きました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話