誤字、脱字、不明な点が
ありましたらごめんなさい
俺とナカヤンは
大学から帰る途中だ
俺
大学生
自分で言うのは情けないが怖がりの小心者
ナカヤン
本名中山
俺と同じく大学生
お調子者、女好き
そんな二人で帰ってると
…
ナカヤン「あれ!瑠璃ちゃん達じゃね?」
俺「あ〜確かに」
そこにはファミレスで
何やら喋る瑠璃達がいた
ナカヤン「俺達もファミレス寄って行こうぜ」
俺「しょうがないなぁ、お腹減ってたし…まぁいっか」
ファミレスの中へ入ると
瑠璃達が座っていた
瑠璃
高校生
後輩、生意気だけど
不思議な力でお祓いも出来る。凄い女子高生
瑠璃の隣に座るのは
ヨウコ
高校生
瑠璃の友達、噂好きの怖がり
瑠璃「あれ?何で先輩いるの」
俺「ちょっと、腹減ってね」
ん?瑠璃の前に座ってるのは誰だ
瑠璃に聞いてみると
マリさん
バイオリニスト
五年前、海外に行って
最近帰って来たらしい
マリさんが話しはじめた
マリ「仕事帰りのことなんだけど…」
マリ「ある道を通ると聴こえてくるのよ」
ヨウコ、ナカヤン「ピアノの音!」同時に叫んだ
俺「有名なのか?」
ヨウコ「噂があるんです」
ヨウコ「ある家の前を通ると
ピアノの音と男の泣き声するらしいんです」
マリ「それだけじゃないわ
あの曲も流れてくるのよ」
瑠璃「…」
マリ「エリーゼのために」
ナカヤン「それは初めて聞いたよ」
ヨウコ「私も」
マリ「実は…その家のことも知ってるの」
瑠璃「マリさん話して」
マリ「そこに住んでたのは
音大で知り合った
私の元カレなの」
マリ「私が海外留学した後も付き合ってたんだけど
遠距離だから長くは続かなかったのよ」
マリ「それから留学期間終わったんだけど
私は海外に残ったのバイオリンために」
マリ「ある日友達から電話がかかってきて彼が亡くなったて…」
俺「彼氏さんが霊になってピアノを弾いてるってことか」
マリ「そこで不思議な力で有名な瑠璃ちゃんにお祓い頼もうと相談しに来たの」
ナカヤン「瑠璃ちゃん、いつのまにか有名人になってるよ」
瑠璃「分かりました。マリさん」
マリ「ありがとう。やってくれるのね」
その夜
俺達は
今は誰も居ないはずの
家の前に集まった
集まったのは
俺、瑠璃、マリさんの三人だ
街灯が怪しげに点滅する
気味悪いなと
俺は空を見上げた
ポツ
ポツ
俺の顔に水滴が落ちる
俺「雨が降り出してきたな
早めにお祓い終わらせようぜ」
俺「今回は手伝うよ」
瑠璃「先輩が?」
俺「ああ、お前のお婆さんに買わされ…いや…借りてきたお札があるんだよ」
俺「これ」
お札を取り出した
瑠璃「先輩、それは
女性が持ってると悪い虫がつかないていうお札ですよ」
俺「マジ?」
落ち込んだ俺の耳に
ある音が聴こえてきた
ポロン
ポロン
ピアノの音が鳴り出したのだ
うぅ
うぅ
男の泣き声も聴こえてきた
瑠璃「先輩、マリさん行くわよ」
俺「お…おう」
マリ「はい」
俺達は家の中に入り
ピアノの音が鳴る方へ
近づいていった
ピアノの音と男の泣き声が
近づくにつれ大きくなっていく
マリ「ここから聴こえるわね」
俺「この扉の向こうか」
瑠璃「先輩…開けて」
扉を開けてみると…
そこには存在を相手に
示すかのような
黒く美しく光るピアノがあった
三人がその部屋に入ると
床が揺れだした
ガタガタ
ガタガタ
俺「大丈夫だよな」
俺の顔は引き攣っていた
瑠璃「まだ大丈夫だけど…悪霊になりかけてるわ」
俺「え!何でだよ」
瑠璃「この人この世に未練を残してる」
瑠璃はマリさんの方を見る
瑠璃「マリさん、彼は…」
一瞬の間があく
そしてマリさんは
こう呟いた
マリ「そう…彼は自ら命を絶ったの」
俺「じゃあ早く悪霊になる前に成仏させなきゃ」
俺は慌てた
俺「瑠璃!」
しかし
瑠璃は思ってもみなかったことを喋りだした
瑠璃「私…今日は力が使えないの」
俺、マリ「え!」
思わず
俺とマリさんは声を荒げた
瑠璃「雨の日は使えないのよ」
俺は動揺した
俺「な…何で?いや!理由は今はどうでもいい
勝算あるのか?」
マリさん「エリーゼのためにだわ」
急にマリさんが声をあげた
ピアノがエリーゼのためにを弾きだしたのだ
その音色は悲しさに満ち溢れてるようだ…
瑠璃「大丈夫!」
瑠璃「マリさん、私が頼んだの持ってきた?」
マリ「あるわ」
マリさんはバイオリンを取り出した
瑠璃「マリさんもエリーゼのためにを演奏して!」
マリ「分かったわ」
バイオリンを弾きはじめた
すると
さっきまでの悲しい旋律が嘘のように
そのピアノは喜びに満ち溢れた美しい音色を奏でていた
いつの間にか
床の揺れが無くなり
男の泣き声も無くなっていた
俺と瑠璃は
マリさんと彼の二重奏に聴き入っていた
演奏が終わると
何処からか物が転がる音がしてきた
コロン
コロコロ
何かがマリさんの方に転がっていく
それはマリさんの足元で
止まった
俺「マリさん、それは」
マリさん「指輪だわ」
その指輪の内側には…
マリのために
と
刻まれていた
瑠璃「彼はマリさんのことを最後まて忘れられなかったみたいね」
悲しげに瑠璃は言った
お祓いも終わり
俺達は外へ出て行った
マリさんは
外に出てきた後も
ピアノのある部屋を見つめている
俺「音楽には不思議な力が宿ってるんだな」
瑠璃「そうね」
俺「そうだ!さっきのお札
瑠璃にやるよ」
瑠璃「私に…」
まさか先輩は私に悪い虫がつかないように
悪い男がつかないように心配してくれてるの?
俺「瑠璃!お前、虫が苦手だろ?ゴキブリとか」
瑠璃「先輩はどうして…」
俺「あれ?いらないのか」
瑠璃「まぁいいわ貰っとく…ありがと」
男「瑠璃!大丈夫だったか?」
急に声がした
突然男が現れたのだ
俺「瑠璃!誰だよ」
瑠璃「私のお兄ちゃんよ」
俺「瑠璃の兄貴!」
いたんだ
呆気に取られた
龍苑「初めまして○○君
瑠璃が世話になってるね」
俺「あっども」
龍苑
瑠璃の兄貴
リュオンと呼ぶらしい
日本人なのか?
謎だらけのイケメンだ
瑠璃「リュウ兄、雨だから来たの?心配しなくて大丈夫よ!私一人じゃないし…」
龍苑「そうみたいだな」
オーイ
俺「あの声はナカヤン!」
ナカヤン「俺も手伝うぜ!
瑠璃ちゃんのお婆さんから買わされ…いや借りてきたお札持ってきたよ」
俺、瑠璃「…」
俺「さぁ帰るか」
ナカヤン「えっ終わったの」
ナカヤン「おーい誰か教えてくれ」
龍苑「ドンマイ」
ナカヤン「どうも」
ナカヤン「誰?」
終わり
登場人物
悪霊退治
参照
怖い話投稿:ホラーテラー イマココニイルヨさん
作者怖話