ある日、私は友達2人を引き連れて、山奥へドライブへと行きました。
その帰り、慣れない立地と薄暗い土地により道に迷い、おいうちをかけるかのように雨も降り出すしまつ。
気分も下がり、暗い夜道をしばらく走ると、前方に女性が現れたのです。
こんな夜道にいることに疑問を思ったのですが、私たちは気分を上げるべく、女性に声をかけました。
女性は素直な方で、軽い感じで車の後部座席に乗り込み、私たちの質問にも笑顔で受け答えしてくれる人でした。
しばらく車を走らせて、何気なくミラーで女性を見ました。
その瞬間、体が凍り付いたのです。
それは、得体の知れないものを見たとかでもなく、変なものを見たとかでもありません。
あることに気付いたのです。
私はすぐさま車を止めて、女性に降りろと声を張り上げたのです。
それに驚いた友達2人は、私に反発してきました。
しかし、それでも私は女性に無理矢理降りてもらい、無視して車を走らせました。
車を降りる女性の姿を見て、私は再び寒気がしたのを覚えてます。
「お前なに考えてんだよ!」
「ほんとだよ!止めろよ!かわいそうだろう!」
「お前ら、気付かなかったのか?」
「なにがだよ!」
「あの女、どこから入ってきた?」
「は?普通にドアからだろ」
「ドアか…。そうだよな。確かにドアからだよ。でもどのドアだ」
「なにが言いたいんだよ?」
「あの女は後ろのドアから乗ってきただろ!でもこの車はツードアなんだよ!!」
「!?」
「それに、ずっと雨が降ってるだろ?あの女、傘もさしてなかったのに、濡れてなかった…」
雨はさらに勢いを増しています。
怖い話投稿:ホラーテラー KHさん
作者怖話