あれは忘れもしない 今となっては思い出話…
まだ俺が学生やった頃 家に10人くらいの友達がよく遊びに来ててん
で その中の友達何人かが外から俺の部屋の窓見て
「お前の部屋に赤いワンピース着た女の人おらへん?」
って言うねん
1回言うだけやったら気にせんかったけど 忘れた頃にまたそんな事を しかも何回か言うもんやから
「そんな奴おらんし もうエェって!!」
って気休めによく言うてた
怖かったし…
みんなには言わへんかったけど 実は夜自分の部屋おる時に何回か怪奇現象があってん
まだその頃は 携帯電話が出回ってなかった時代やから 夜中に家電でよく長電話したりしてた
俺の部屋は2階やから 誰かが階段上がってきたらすぐにわかるねん
で 夜中に長電話してたら誰かがゆっくり階段を上がってくる足音がするから
(オカンかな?)
って思うてんやん
長電話してるし また怒られるわーってなってドキドキしてた
足音は部屋の前まで来て 暫くシーンってすると
バーーンッッ!!
って強くドアが開いた思うたら 電話のコードをおもっきり引っ張られるねん!
(なんや!?)
って思うてドア見たら誰もおらへんし…
他にもよく変な事があったりしたから 赤いワンピースの女の人の事を言われると めちゃめちゃビビッてた
その中で今でも忘れられない強烈な出来事があったんやけど…
その日は酷く疲れてて夜自分の部屋に帰ってくるなり すぐ眠りについてん
で夢を見てんな
その夢の内容が 地元の駅前にクラブがあって そのクラブに遊びに行ってる設定やねん
現実にそのクラブはあるから リアリティのある夢やった
そこのクラブのオーナさんとは仲良くしもらってて 夢の中でもオーナさんと酒を飲みながら仲良く喋ってた
そのクラブは狭いから全体が見渡せるようになってて 何気に見渡してると
1番奥のBox席に赤いワンピース着た女の人が1人で下向き加減に座ってるねん
俺はその赤いワンピース着た女の人が めちゃめちゃ気になって どうしようもなくなるねん
で オーナさんに聞くねん…
「あの赤いワンピース着た女の人…誰ですか?」
そこで いきなり夢から目覚めるんやけど
完全に金縛りやねん!
え?
って思うてたら 目の前に赤いワンピース着た女の人がいきなり現れて抱き着いてくるんよ
しかも結構な力で…
で肩に噛み付いてくるんやけど甘噛みやなくて本気で噛み付いてくるから恐怖と痛さで そのまま気を失ってしまった
気がついたら朝になってて
(えらい怖い夢見たな…)
って思うて鏡見たら肩には噛まれた歯形が残ってるねん
その日に俺は怖くて別の部屋に移ったんよ
それから何年か過ぎて 変な怪奇現象もなくり 赤いワンピース着た女の人の事を完全に忘れてたんやけど
ヒョンな事から思い出す事になる
よく怪奇現象が起きたその部屋は
死んだ親父が生前に使ってた部屋で
何気にアルバムを見てると
写真の中で 親父が俺を抱きながら笑顔を浮かべて写っている
写真の中の親父の肩には 俺と同じケロイドがあった
誰かに噛まれた歯形のケロイドが…
怖い話投稿:ホラーテラー ハクション大魔神さん
作者怖話