魔女裁判を知っているだろうか?
はるか昔、ヨーロッパで謎の病気が大流行し多くの人々が命を落とした。
この事態に恐怖した人々は魔女の呪いの仕業だと決めつけ、信心深い者達を次々と処刑した。
己の不幸を呪うものは、更なる不幸を他人へ望むものである。
他人へ罵倒を浴びせ、中傷し追い詰めることで、己を正当化しようとするのは、いつの時代も変わらない。
無実の者達は公衆の面前でギロチンにかけられ、その首はサッカーボールのように蹴られて遊ばれたという────。
ついに、俺の番か……。
この儀式は、現在もこの国では受け継がれているようだ。
俺は炎天下の中、首をさらされ、身動きがとれないように地面に固定されている。
いったい俺が何をしたというのだ?
すでに仲間はナイフでズタズタに体を刻まれ、無惨な姿をさらしている。
それだけではない。
その仲間の脳襄をむさぼり喰うアイツら。
そして、その残虐な欲を満たすためには、まだ飽き足らないようだ。
鬼畜じみた観衆のボルテージは異様なまでに高まり、この俺を撲殺せよとの命令が下される。
奇声を発しながら、近づいてくる処刑人。
人里離れた村で平穏無事に育ってきた俺に、こんな最期が待っていようとは───。
グシャッという鈍い音
吹き出す血しぶき
沸き起こる歓声と
物体と化したそれに
群がる人々
満足そうに見下ろす処刑人
儀式が終わるのを見届けた首謀者は声を高らかに、こう叫ぶのだった………
『さぁ、スイカ割り終わったから、食べていいわよぉ!』
そんな夏が終わりを告げようとしています。
ちょっと前置き長くなりましたが
残暑見舞い申し上げます。
お元気ですか?
怖い話投稿:ホラーテラー ソウさん
作者怖話