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短編2
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怖いね

俺は昔高校生の時、心霊スポットが好きでよく友達と巡ってはあ~でもないこ~でもないと怖話にふけっていた

けどやっぱり人間っちゅうのは不思議なもんで何回も行っているとコンビニの本などに載っている心霊スポットでは怖くなくなってしまった。

んで今度は実際に事件が起こった場所に行く事にしたんだ。

やめときゃよかったのに。

分かる人は分かると思うが俺たち(友達2人の計3人)はとったばかりの免許で車を運転し油壺に向かった。

深夜2時ぐらい。

色んな地元人に場所を聞きながら探すとその場所は急に目の前に現れた。

車を止め問題の場所に行くために海岸に降りて海沿いに進むとそこだけ誰も寄せ付けない様に明らかに周りと空気が違った場所があった。

俺たちは息を飲んだ。

何か寒いし。

…でもそれほど怖くはなかった。

何故ならその時その事件はニュースで良くやっていて俺たち以外にも人がいた。キャッキャ言ってるカップルが1組。

「ヤダァ怖いよ~。」とか言ってイチャイチャしてるし。

んだよ…こっちは男3人なのによ…うらやましいな~。

なんて思ったが俺はこういう場所にいると妙な親近感が湧いて話し掛けたくなる。

やめときゃ良かったのに。

俺は「いやぁここは寒くて雰囲気が違いますね。」とカップルに言った。

すると今までイチャイチャしていた2人の表情がみるみる変わっていき二人は一点を見つめたまま動きが止まった。

ん?何で?何か悪いこといった?と思ったが 次の行動でその考えは消えた。

喜怒哀楽全ての感情が完全に無くなった様に一点を見つめ直立不動のカップル…まるでマネキンのようだった。

すると急に男がくるりと後ろを向いて歩き出した。

えっ?

後ろは海だよ?

男は何を考えたかザバザバと海に入って行く。

余りの行動の不可解さに「おい!」と声をかけそうになった時。

女が一点を見つめたまま 表情を変えず…

「いやぁここホントに雰囲気ちがうよね。ホントに怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね怖いね…」

一点を見つめたまま壊れたテープの様になった。

俺らは声にならない叫び声をあげながら車に駆け込み地元に逃げるように帰った。

未だにあの「怖いね」が頭から離れない。

なんだったんだあれは。

怖い話投稿:ホラーテラー マンサイサイさん  

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