中学の頃の話。
午後8時頃、俺は部屋のベッドで、寝る訳でもなくボーっとしてた。
ふと気付くと、俺の上に黒い人影が馬乗りになっていた。
そいつが、俺の脇腹に両手を当ててくる。
ズブズブ、ズブズブ。
身体にその黒い手が、腕が、身体が、侵入してくる。
鳥肌が、皮膚の裏側に立つ様な感覚。
気持ちが悪い。
徐々に、黒い人影が身体に重なり、とうとう逆光に当てられた様で、まったく判別のつかない顔が、俺の顔に重なってきた。
その瞬間、身体の感覚がフッと消えた。
ズブズブ、ズブズブ。
今度は、影に完全に重なった身体が、ベッドの中に沈んでいく。
また、気持ちの悪い感覚。
そして、身体の全てが、ベッドに埋もれた時、
落ちた。
暗闇の中に。
俺の部屋は、2階なんだけどそんな距離では無く、いつまでも、いつまでも、落ちていった。
どれくらい経っただろう。
気付くと、俺は多量の汗をかきながら、ベッドの上にいた。
「なんだ。夢かよ。」
と、ふと枕元の時計を見る。
!!。
さっき、時計を見た時から、三分しか経っていなかった。
なんだったんだ?。
それから、半年後、当時隣の家に住んでいた友人と妙な話をした。
ある日、友人が青い顔をしていたので、
「どうした?。なんかあったのか?」
と聞いてみた。
「昨日の夜、黒い影に首を締められた・・・・。」
!!。
一瞬、自分にあった事を思い出し、動揺する。
だけど、
「それって、絶対気のせいだよ。俺も同じ様な事あったし。でも、それって絶対疲れてるからなんだよね。」
と、思ってもない事を言う。
まあ、何だかわかんない事だしね。
でも、友人はまだ暗い顔で続ける。
「俺、見たんだよ。」
「何を?。」
「昨日、〇〇交差点で事故あったの知ってるよな?。」
「ああ、確か一人死んだって・・・・。」
「俺、その現場にいたんだ。」
「・・・・。」
「女の人がひかれて、首が飛んできた。
俺の方に。」
!!
ゾッとした。
まあ、それと黒い影と何が関係あるのか、分からないんだけどね。
実話なんで、怖くなくて、スミマセン。
怖い話投稿:ホラーテラー 弥孤さん
作者怖話