交通事故で無くなった父親の四十九日に、パソコンから出てきた。
こんなものを書いて、多分本当はまだ気持ちが定まっていないんだと思う。
お前達のことは、私なりに真剣に考えています。
恥ずかしくていえなかったが
みんなのことを本当に愛しています。
しかし、これからは本当の意味で自立をしていってください。
お金のことは心配をしないでも大丈夫な様にしてあります。
隠し借金や愛人も居ませんので安心してください。振り返ると仕事、仕事で家族に何一つしてやれなかった気がする。
お前達の運動会や、お母さんの病気の時も
私は仕事と称し、逃げていたのかも知れない。
そして気がつくと、私の居場所が何処にも無くなっていることに気がついた。
みんなには言わなかったが、今月で会社も無くなる。
そしてそれと同時に私の気力も限界に達していた。
しかし、不思議と死に行く事に無念さや失意は感じていない。
かえってすがすがしい気持ちじゃないかと錯覚するようだ。
あまりクドクド書いても仕方ないので最後にします。
多分この文章を見つけられるのは○○だろうな。
だからまず○○から。
就職おめでとう。
これから自分の力を思いっきり出して頑張ってください。
お前のスーツ姿を笑ってしまったが、本当は涙が出るのを
隠すのに精一杯だったあの泣き虫が本当に立派に育ってくれた。
私の自慢の息子になってくれて本当にありがとう。
あとは、自分の力を信じてまっすぐに歩んで行ってください。
お前なら必ず、夢がかなうと信じています。
□□へ
あの彼との結婚、認めます。
まだ若いから・・と思いますが、あの日私は感情的になってしまった。
いま考えると恥ずかしい限りだ。
お前の真剣なまなざしは私にしっかり届いていましたよ。
幸せにしてもらうなんておこがましいことを思うより自分でしっかり、幸せを掴んで行って下さい。
孫の顔を見れないのが残念ですが、写真を必ず祭壇に飾るように。
そして、妻へ。
長い間こんな私についてきてくれてありがとう。
本当にいろんなことがありましたが、あなたと連れそう事が出来て私は幸せでした。
そして本当に愛しています。
最後は少し早く逝きますが、あなたはもう少し楽しんできてください。
私も一人で疲れを取ってゆっくりと過ごしています。
お前達みんな、私には出来すぎた家族でした。
では元気で。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名係長さん
作者怖話