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短編1
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カッパの呪い

「父さん、またあの川にカッパが出たよ!」

息子が、騒々しく家に帰ってきた。

額の汗を拭いながら、息子は私に言う、

「父さん、絶対あの川の工事、中止した方がいいよ!だってあそこカッパがいるんだぜ!」

私が、息子の学校の近くの川を埋め立て、ダムを建設する工事の責任者だということを、息子は知っている。

だから息子は、私に工事を中止して欲しいと何度もお願いするのだ。

遊び場所が無くなるのが、悲しいのだろう…

「いいか、工事を中止することなんて出来ないんだ。お前らの遊び場所が無くなるのは可哀想だが、しょうがないんだ。わかってくれ…。」

息子が口を曲げて、言った。

「父さん知らないよ。カッパに呪われちゃうんだから…」

カッパの呪いか…

私は、自分の仕事部屋に戻り呟いた。

息子よ、お前の言う通りだ。父さんカッパの呪いを受け入れたんだよ…

お前達を食わして行かなければならないからな。

私は、すっかりハゲた自分の頭のてっぺんを擦りながら、泣いた…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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