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短編2
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Sビル

昔、友達だった子が住んでた繁華街の中にあるSビルはやばかった。

多分、戦後の高度成長期に建てられたと思われるビルは、一階は店舗で華やかに見えるが、裏に回ると5階建てなのにエレベーターもなく、コンクリートの薄暗くて狭い階段のみ。

部屋は風呂なし、トイレ共同の2K。

「よくこんなトコに住めるね?」と言うと「家賃安いし、職場も近いから」と笑ってました。

「なんか出そう」と言うと「うん。出るよ」と言う。

引越して直ぐに置いてた包丁が自分に向かって飛んできて、壁に突き刺さったり、金縛りやラップ音は当たり前らしい。

その話を泊まりに来た日に聞いて帰りたくなりました(泣)

彼女は勤めてた飲食店の社長の進めで、聞いた事もない宗教団体に入ってて「毎日、仏壇にお祈りしてるから大丈夫」とか言ってました。

翌日、何事もなく無事に帰ったんだけど、帰りに来た時とは別の階段の方が駅から近いので、そっちに歩いて行った。

廊下の突き当たりに部屋があって、ドアが歪んで隙間があいてる。

その隙間から光りが漏れてて、誰かが横切った。

「うわ、あんなボロイ部屋でも住んでるんだ」

そう思って、何気なく1センチ程の隙間から部屋を覗いてみた。

「うわっ!何これ?」

隙間から見えた部屋は壁に穴があき、そこから外の光りが入ってました。

床は畳はハゲてボロボロ。一歩踏み入れば崩れそうで、とても人が住めるような状態ではありません。

「さっきのは幽霊?ってか、あんなボロボロの部屋があるなんて、このビルやばいよ」

それっきり、彼女の部屋には行ってません。

彼女自身もその部屋の影響か、はたまた盲信してた宗教のせいか、段々言動がおかしいなり、最終的に「あなたは私の友達に相応しくないわ!」と絶縁されました。

Sビルはまだあります。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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