いつもの流れでパス練習をし、ゲームをやり終えると、ライトを消して後片付けをして解散になります。
グランドの一段上で水を飲み一服しながら世間話をしていると…
「あれ見てください…」
メンバーで一番年下の子が、ガクガク震えながらプールを指差します。
暗闇に目が慣れたのか青白く見えるプールに、水着を着てこちらに手を振る少年が見えます。
それは12月の事でした。
ジャージの上にジャケットを羽尾っても寒いというのに…
余りにも異様な光景に一同が固まると、先程の彼が恐る恐る言いました。
「僕のボールがビショビショなんすよ…」
プールの少年は手を振り続けていますが、完全に目が逝っていました。
その言葉を最後に全員競い合うかの様に車に飛び乗り逃げ帰ったそうです。
恐らくあの少年がボールを返してくれたのでしょうが、この世のモノではない事は確かでした。
そしてそれ以降サッカーチームがその小学校に集まる事も無かったそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー ハミーポッポーさん
作者怖話