短編2
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再会―完

再会の続きです

母は私の話を聞き終えてから、静かに話を始めました

『あたしは何度か家族以外に亡くなった人を見たよ』

『初めて見た場所は○持寺のトイレだった』

『?』

『それって今日の…』

質問に答えず母は続けた

『端のトイレに入ろうとしたら、扉が開かなかった。それで隣を開けたら―』

私はビクビクしながら、誰か居たの?死んでたの?と聞きました

母は頷き

『あたしは外で待ってた友達に知らせて…後で警察に行って、事情を聞かれたけど…話せるような特別な事はなかったし。開けたらすぐそこにいたんだから。何より怖かったからね。何を話したのかなんて…覚えちゃいない』

『ただ…ぶら下がってた人の事だけは忘れたくても忘れられなかった。あのダラリとした血の気のない…』

言いかけて母は黙ってしまった

話を聞いて、母が発見者となったその場所で、時を経て私が見た足は…亡くなった方だったという気持ちになってきました

それから母は私に

『お前には…不思議な事や恐い事は起きないようにって、そう思うから幽霊はいないって言って来たけど…やっぱりダメだった』

『やっぱりってどういう意味?じゃあ幽霊は…居るの?』

子供らしい質問をした

『幽霊がいるとか、人が化けてでるとか、そんなのは分からないよ。ただ…説明出来ない事が起きたりするって事なの』

私は母が出会った人に時を経て会ったような気がしました

その人には再会だったんだろうか…

『ずっと待って…』

微かだが私にはそう聞こえたのだから

この出来事以降、私は24歳までの間に何度か恐い目に合いました

母は私よりずっと恐い経験を幾度かしたといいます

母方の祖母の実家に伝わる言い伝えが原因ではないかといわれていますが、機会がありましたらまた投稿したいと思います

長くなりました

怖くなかった方にはごめんなさい

読んでくださった方ありがとうございました

怖い話投稿:ホラーテラー フクさん  

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