再び再生。画面は1階に到着。呻き声はまだ続いてる。画面の中では俺達は喋っている。その時突然
「ガシャン!」
例の何か落ちた音です。Aが先に歩きだし俺達は2メートル後に付いていきます。画面はAの後を付いてく、俺とB。
歩き出して2、3歩位歩くと、俺とBの間に…
突然女が右から画面いっぱいに現れ、撮っているBに腕を大きく上からふりかざし…
包丁で何回も、何回も刺してます…
カメラには確かに写ってるのですがBにはどうやら見えていません。女は透けていて俺の背中がうっすら見える。そんな人間がいたら実際に気付くはずだし、いたら逃げてるはず…
が、Bには、いや皆気づいてない…
横を見るとBは震えながら泣いていて、Aは下を向いた状態。画面の女は無表情でまだ刺してる…
すごく長く感じたが誰一人停止ボタンを止めようとはしなかった。いや、止められなかった…
1分位だったが女はその後スッと消え、画面の中ではBが
「胸が痛い」
この時、あぁそうゆう事だったのかと納得した。
呻き声はまだ続いていてる。少しボリュームが上がった気がする。
画面はAが地下に降りて行こうとしている。
倉庫を見るA…
手術室の前に到着…
Aが扉のドアに手をかけた瞬間…
手術着を着た男4人でAを一斉に刺してます。ハサミ、注射器、のこぎり…冷酷な目で、頭、胸をメッタ刺し。なにより怖かったのは4人のうち1人だけ笑ってた事。
TVを見てるのは俺だけ。2人は下を向いた状態。Bは耳を塞ぎ、Aは震えて失禁してます。
呻き声は音がさっきより大きくなって画面の会話が聞こえないくらいだ。
その時ハッ、と気付いた…
次は俺だ…
そんな事を考えたら毛穴から汗が一気に流れた。
画面は俺がAを介抱している。さっきの霊達は………
俺を睨んでる!刺される!間違いなく殺られる!
涙がこぼれそうになる俺。その時、Aが言った。
「お前も殺られるちまえばいいんだ!」
背筋がゾクッとした。
が、画面の霊達は俺に仕掛けてこない…何故か睨んだまま。そうこうしてるうちにあの逃げだした場面。Bが涙を拭いてボリュームをあげる
聞こえた。ハッキリ聞こえた。
「2人だけか」
そうか…
そうだったんだ…
これで終わるんだ…
その時気付いた。
お守りだ!あれが俺を守ってくれたんだ!
俺はお守りに感謝した。
そして画面は3人が一斉に走りだしていた…
続く
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名で…さん
作者怖話