短編2
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黒い本

怖い物好きな僕は、いつものように、古本屋で怖い本を探していた。

なかなか面白そうな本が見つからず店の中を、うろうろしていると、ふと、棚の上にある本が目に止まった。

手に取って見て見ると、それは真っ黒な背表紙に赤い文字で、

「黒い本~警告~」

と書かれていた。

本には、作者の名前も出版先も印刷されてなかった。

(をを!これは…)

僕は、掘り出し物を見つけた気分で、その本を買い家に帰った。

その夜、あらかたテレビも見終わって、本でも見ながら寝ようと思い、買った本を取り出した。

今の古本は、立ち読み防止のため、ご丁寧にビニールで梱包されているので、僕はビニールを破り捨て、本を取り出そうとした。

その時、本から一枚の便箋が落ちてきた。

真っ白な便箋だ。

便箋を開くと、何やら手紙らしき文が書かれていた。

拝啓

秋の涼しさを感じる今日この頃、あなたはいかがお過ごしですか?

相変わらず、恐怖の類いを探し回っているのでしょうね…

退屈な日常、今ある現実、あなたにとって人生とは時間を消費するものだけなのでしょうか?

少しでも、何か刺激を…

そんな気持ちで、恐怖を探しているのでしょうね。

だけど私は、あなたが迷惑なのです。

あなたが何をしてくれますか?

私を見て、ただ面白可笑しく騒ぐだけなのでは?

私の苦しい思いも、一人きりの孤独も、何一つ理解しようともしてくれないのでしょう…

そこで私は、あなたに警告をしようと考えました。

本当の恐怖を知りたいなら念じなさい…

望み通り、あなたの所へ行きましょう…

では、後ほど…

手紙には、こう書かれていた。

僕は、

「なかなか変わった趣向だな。なるほど面白そうだ!」

と、ワクワクしていたが、便箋の裏を見て、心臓が止まりそうになった…

便箋の裏には、僕の氏名が書かれていたのである…

僕は、少しパニック状態になり、

「何?何?なんで?なんで…」

急いで、黒い本の出版先や作者を探そうと、(黒い本)を開いた…

黒い本は、全て白紙だった…

いや…最後のページに一文だけ書かれてあった…

念じなさい……と。

僕は、必死で念じた。毛布を頭からかぶり、必死で念じた…

もちろん、

(こないでくれ…こないでくれ…)と。

すいません続きます…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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