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中編3
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見えない人さん

墓地の上に建てられた学校ってので思い出した話

実体験…体験まで行かないので実話?なので怖くない・オチもなんもなし。寧ろ笑い系だと思うので注意!

俺が高校…3年か2年の夏休み、うちの学校は偏差値が低いので、学校のカリキュラム自体が大学受験をするのに不適切なものだった

そのため大学を目指すような連中は、休み期間中も特別補習を受けていた。俺もその一人であり、休みだというのに学校に来て勉強をしていた

学校といっても教室でやるのではなく、学校の敷地内にある部活の合宿で使うような建物の1階で補習を行った。そこは墓地がよく見える場所に建っていた

俺には友人のAがいた。Aも大学進学のため、学校のカリキュラムでは足りない知識を補おうと補習に参加していた

俺「もう補習始まってんのにいつになったら来るんだよA〜」

Aは約束の時間を守らなかったり我が儘言ったり変な行動を起こしたりとお調子者だったが、何故か憎めない面白い奴だった

俺「お前来ないと俺一人じゃんかよ〜午後まであんのに…今日来んのか?」

俺は右隣の席に鞄を置いて、Aの席を確保していた

後の話に必要なので、この部屋の形を大まかに説明する

俺を中心に正面方向には先生とホワイトボード。前後には長机と椅子と他の生徒。右側には椅子が二つ並んでおり、更にその右側にはこの部屋への出入り口がある

その出入り口の引き戸は木製の格子に硝子がはめてあるものだった。そこを出ると正面に何故かトイレにあるような手荒い場が二つあり、鏡も2枚掛けてあった

俺は鏡と引き戸の硝子が合わせ鏡の状態になっているのを見て、霊道が出来てる♪と一人楽しんでいた

しばらくするとAが来た

A「ごめん、遅れた」

そう言い、俺の荷物をどけ、右隣の椅子に座る。Aは自分の荷物を更に右の、1番端の椅子に載せた

俺はいつもの冗談で、

俺「何してんだよ、そこは“見えない人さん”の席じゃねぇか!俺も見えない人さんもお前を待ってたんだぞ!」と言った

勿論Aはノリ良く、

A「見えない人さんごめんね〜」

なんて返したので笑ってた

しばらく授業に集中してるとAが俺の腕を小突いてきた

俺「何だよ?」

A「……何かいる…………」

俺「はぁ?」

休み時間になり、さっきのは一体なんのことだったのか聞いてみた

Aいわく、引き戸の向こうの廊下を「黒い影」が横切ったらしい。

まさかと思い、俺は茶化そうと

俺「それ、見えない人さんだよ〜(笑)」

と言い、Aも

A「そっか〜見えない人さんかぁ〜(笑)」

と流した

しかし、実はAには微力ながらも霊感がある。この際先生に聞いてみようぜ、と言うことになり聞いてみた

先生「ここは元々墓地を潰して建てた物なんだ。だから不思議なことも多くてな…例えば壊れて動かないCDラジカセをここに持ってきたら、中のCDが勝手に回り出したり、女の霊を見たと言う子もいるし、霊感の強い子だとその場所に近寄れないという子もいたぞ」

俺「…………その女の霊が出た場所って?」

先生「すぐそこだ」

…思いっくそAが黒い影を見たっつー合わせ鏡の廊下でしたよ……ゾッとしましたね…だって幽霊が出るなんて初耳なんですよ…

1年の時なんて部活の合宿で、この建物の2階に泊まったんすから…Aも勿論この話も、そして硝子とは言え、あの廊下がたまたま合わせ鏡になっているなんてことも知らなかったんすよ。冗談だったのに見えない人さんでちゃいました……

その時は「お前取り憑かれてやんのー」と笑ってましたが内心、「明日Aが消えたらどうしよう」とも心配してました。Aは今も元気に大学で伝説作ってるけどね…学長室に忍び込んだとか

怖い話投稿:ホラーテラー のののさん  

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