これは実際に私が体験した話です。
当時の私は17歳でした。
私の家の隣りには33歳の独身の男の人が住んでいます。
彼はとても優しく、頭がいいので宿題などを教えてもらったりしています。
私の部屋から彼の部屋へ入ることだってできる近さでした。
私がいつものように二階の自分の部屋で友達と電話をしていたときのこと。
ガタン!と大きな音が隣りから聞こえてきたのです。
扉が強く閉まるような音で彼が帰ってきたのだろうと、そのときは思っていました。
『…あ、うちこれからご飯だから、後でね』
友達がそう言ったので「ばいばーい」と言い残して電話を切った。
窓を見ると、隣りに住む彼の部屋に灯りがついているのに気付き、私は部屋の窓を開けました。
「お兄さーん?」
部屋にはカーテンがかかっている。
黒い影が妙な動きをしていました。長いものがあって、とがったもの。
彼ではないと思いました。
私は即座に窓を閉めて、カーテンを閉めました。
彼の部屋の窓が開く音がして…
がりっがりっ
がりがりっ
がりっがりっ
がりがりっ
窓を引っ掻くような音がしました。
私は怖くなって即座にリビングへと向かい、台所にいたお母さんの元へ行きました。
お母さんと一緒に私の部屋へ行ってみると、音は消えていて、お母さんがカーテンを開けてみると、隣りに住む彼の部屋の電気はついていませんでした。
でも私の部屋の窓には何かが擦れたような跡がくっきり残ってました。
翌日。彼に昨日家にいたかどうか聞いてみたら、
「昨日は残業だったから、帰ったのは12時過ぎだったよ」
と言っていました。
彼には付き合っている人もいなく、彼の実家の人がきていたとしても、家族の中に髪の長い人はいない、と。
あれ以来、私はあの窓を開けていません。怖くて怖くて、なにがあったのか思い出すだけで震えてしまいます。
彼の部屋にいたのは誰なのか、いまだにわかっていません。
あのとき、彼が残業をしていなかったら殺されていたのかもしれません。
そう思うと、怖くて仕方ありません。
あまり怖くない話かもしれませんが、乱文失礼しました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話