短編2
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肝試しの思い出

当時18歳。

車の免許を親友が取得してドライブがブームになっていたこともあり、男4人で雑誌で調べた心霊体験やら恐怖体験が続発するというトンネルへ向かう。

現地に到着すると女の子が4人で騒いでいたので、同じ人数だということもあり生涯初のナンパをしてみた。見事に成功して2人ずつ少し距離をあけてトンネル内部に入ることに決定。

トンネルの中央にあるらしい血の染みを確認してから戻ってくるというのをルールにして1組ずつ向かうのだが、自分は最後尾だった。普段は女の子と話す機会が少ないこともあって少し緊張しながら世間話や流行の歌などについて話し歩いていた。ふと前を見ると人数に違和感がある。

『1、2、3、4、5、67、8、……9。

最初に女の子に人数確認はしてないが4人だと思って声かけたけど5人なのかな?』などと考えた。

一応、不安になってきたのでペアになってた女の子に「今日何人で来たの?」

と聞いてみると、不思議な顔をしながら

「4人だよ?さっき人数も一緒だねって話をしたじゃん?」

血の気が引く、背筋が凍るってのはあるんですね。

こいつはマジでヤバイ!!って思って打ち明けた。

「落ち着いての?冷静に俺の話を聞いてほしい。」

「なになに?」

「人数を数えてみ…。」

「1、2、……、7、8、……きゃあああああ!」

「おい!人数おかしいぞ!1人増えてる!!逃げろ!マジヤバイわ!」

全員一気に走りだした。

途中で友達にぶつかられて転んだ俺は、9人目の人の声を聞いてしまいました。「あなたは…、助けてあげる…。」

9年たった今でもハッキリ思い出せるくらいに低くて悲しい声だった。

体を起こして車に戻ったら他の7人が俺に言う。

「お前が転んだ後、後ろを見たけど、左肩に髪の短い女の人の顔があった。」

俺が、声らしきものを聞いてしまったときの事を言ってると、すぐ理解。

あまりの恐怖で知り合った女の子たちとも解散をして帰路につく。

だた俺は1つだけ気になることがあった。

「あなたは…、助けてあげる…。」

『あなたは?』

あれから9年、当時一緒にいた友達は、誰一人として病気も事故もなく生活している。肝試しだけは2度と行こうと言う者はいないが。

あのとき知り合った女の子で、1人だけ解散するとき歯がガタガタと震え、顔も真っ青になり、寒い寒いと繰り返してた人がいた。

「あなたは……」

の答えかもしれない。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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