ヒエラルキー

世界には神話となるくらい神々しい幽霊がいる

そして、みんなに恐れられ、封印の陣なんてもので囲まれたり、大袈裟に扱われる幽霊もいる

さらに、街中を一人で颯爽と闊歩し、クールに人々を脅かす幽霊もいる

だが、私が死んでから割り当てられた場所は『トイレの便器の中』だった

誰かがフタを開けたら大声で笑い脅かすというのが私の役目らしい（地縛霊ゆえ追っかける事も出来ない）

トイレは霊の出没スポットとして人気が高く、この私が地縛霊として居座るトイレにも

他の幽霊達が縄張りをはってて、私の居場所はほとんどなかった

そしてやっと見つけた私の場所は、トイレの便器の中だった

今、古いトイレの便器の汚水の中に顔をうずめているが

私だって元は人間だ

決して気分の良いもんじゃない

ああ、今、誰かがトイレに入る音が聞こえた

笑う準備でもしとくか……

怖い話投稿：ホラーテラー　匿名さん