心霊・怪奇現象の類の話ではありません。長文・駄文失礼します。
※本作には一部グロテスクな想像が起こる可能性のある文章が記載されております。食事前などの閲覧には不向きな内容かもしれませんので、アナタ自身の判断で御覧下さい。
あれは18歳の夏、専門学校に通っていた頃の話。
高校を卒業して、地元を離れ一人暮しをしていた。見知らぬ土地での生活。環境が変わり、友達も新たに出来た。
専門学校に入学してからの三ヶ月、付き合いの浅い友達だがそれなりに仲良くなっていた。
専門学校に夏休みはなかった。しかし、授業は少なく午前中で終わる事が増えていた。授業が終わると学食へ行き、くだらない会話で盛り上がってから帰る。そんな日々を送っていた。
ある日の午後。いつもの様に学食に五人ほど集まり、雑談する。翌日学校が休みという事もあってか、中々帰ろうとしなかった。
そんな中、A君が
『今日みんなでウチに来ない?昨日ビデオ屋で借りたビデオを一人でちょっとだけ見たら・・・内容がヤバくてさぁ。』
まず夏の定番、心霊ビデオだと思った。次に予測したのは裏ビデオ。などと考えている内にみんなの会話は進んでいた。
どうせ心霊ビデオでしょ?友達の質問に対してA君は
『まぁ、内容は来てからのお楽しみで。とりあえず来いよ!』
みんなは結局、A君の家に行く事になった。
個人的に心霊ビデオは嫌いだが、みんな行く。断れば場が冷める。裏ビデオならラッキー!なる頭脳会議の結果、A君の家に行く事にした。
気が付けば夕方だった。一度解散した後にA君の家に集合する。時間は午後八時。と決まり皆帰る準備をした。別れ際にA君は
『絶対にメシ食べてこいよ!』
とみんなに言った。内心ケチ臭いと思いながらも、一人暮しは大変だからね。と自分に重ね納得する。そして解散。
自宅でメシ・風呂を完了。A君の家に向かった。ほぼ八時。A君、自分を含め四人集まっていた。五分ほど経ち、最後の一人が到着。八時五分だよ全員集合!
『メシ食べて来たか?』
A君がみんなに確認した後、ついにビデオをデッキへ。ビデオテープが汚かったのを覚えている。
※ここ以降は過去の苦い記憶だった為、ビデオの内容が一部曖昧です。申し訳ありません。
タイトルはデスファイル。新作紹介は一切なく始まる。Xファイルのオープニングをパロった感じだ。
シーンが切り替わる。夕方の大きな川が映され、一本調子の暗いナレーションが流れる。
再びシーンが切り替わる。ビデオを見ていた我々一同は思わずヴェッ!!と言う。
人間の死体画像。
デスファイルを見た事のある人ならご理解頂けると思うのだが、明らかに作り物ではなく本物。更にシーンが切り替わって行く。
【水死体】
長期間の水中放置後に発見された死体は水分を含み、ありえない大きさに膨れ上がっている。肉の腫れ具合は特番で放送される世界一の巨漢よりも凄まじい。あまりに膨れていて男女の区別は難しい。
【銃殺された死体】
腹部がおそらくショットガンにより撃たれている。脇から腰にかけて腹半分がえぐっている。大量の血が辺りを染め、血溜り中には肉片が転がる。
【斬殺された死体】
頭部が眉上から刃物により斬られている。死体は驚いたように目はカッ!と開き、切断面から脳らしき物体がはみ出す。
【生まれる途中の死体】
おそらく母親の胎内で成長中に抜き取り出された胎児の死体。大きさは赤ん坊より小さくゴミ捨て場に置いてある。蝿が死体の周辺を旋回。
【首吊り死体】
倒れた椅子。うなだれた頭。体は風で揺れている。足元には体中の穴から流れ出した汁が半径2m以上?広がっている。
など様々な死体画像が再生され続ける。最後のシーンも印象的だった。
夕方の大きな川。冒頭にも登場したガンジス川だ。現地の人は死後、遺体を正装して川に流す。
神の元へ還すという解釈らしい。遺体は遺族に見守られながら川を流れていく。しかし、流れていく先の陸地には数名が待ち構えていて、長い棒で遺体を引き上げる。
数名は遺体から装飾されているものを奪い合う。ナレーションによると川から流れる物すべてが神からの贈り物らしい。
すべてを見終わった後、しばらくの沈黙が部屋を独占した。テレビに切り替え、ようやくみんな感想を語った。
今思い出してもかなりグロテスクな内容だが、なぜか自分も含め、最後まで一度もビデオテープを止めようとする友達はいなかった。
ビデオ見てから、三日間ほど肉料理は食べられなくなり、菓子パンばかり食べた思い出も残った。今でもデスファイルを思い出すとゾッとする。
現在でもデスファイルは入手可能かもしれませんがオススメはしません。が、見た後に何か感じる事はあると思います。
人殺しは最悪だ!とか、生で死体を見てみたい。と思うのはアナタ次第です。
最後まで読んでくれて有難う御座いました。
END
怖い話投稿:ホラーテラー ピリリィさん
作者怖話