怖いといえば怖いような気もする、むしろ不思議な話なのだがいいだろうか?
怖い話を期待している人にはちょっと期待はずれのような話だ。
それは俺がまだ小学校だった頃の話。
小学校の頃の悩みと言えば、今でも悩んでいる霊感のことぐらいだった。
友達とは違うものが自分には見えるという一種の恐怖や怯えがその頃から強かった。
小学校ではとくに、人と幽霊の見分けがつかなくて、困ったことも良くあった。
気味悪がられるのも当然といえば当然で。
そんな小学校時代、四年だったと思うが、その時のクリスマス。
俺がいつものように学校に嫌々行こうとしていると姉が「クリスマスの昼から夕方に00の0000に電話して、欲しいものを通じている間に三回いえたらもらえるんだって!」と嬉しそうに俺に言ってきた。
ちなみにその姉は当時、中学二年生である。
今思えば、姉はずいぶんとファンタジーな頭してたなと思ったりするのだが。
それとも俺を慰めようとしていたのかもしれない。
小学生の俺は気味悪がられて友達は極端に少なかった。
むしろ、イジメという奴にあっていたのかも知れない。
教科書をゴミ箱に捨てられてたりはよくあったと思う。
話を戻すが、俺はそれを純粋に信じて、急いで学校から家に帰ってきてから00-0000に電話した。
普通は、そんな番号通じるわけがないのだ。
しかし。
ツー、ツー、ツー、そこで切れるはずだった電話は
プルルルルル
プルルルルル
と繋がってしまった。
そして
確かにその時、繋がる音がしたのだ。
電話の向こう側は無言。
こちらは息を呑んで、自分の欲しい物を言った。
「俺は友達が欲しい、友達が欲しい、友達が欲しい!」
たしかに、三回。
無言の相手に向かってきちんと言った。
場を呼んだかのように相手は三回言った後、電話は切れた。
果たしてその願いはクリスマスのサンタに届いたかということなのだが・・・
俺には理解しがたいが、確かなのは、その願いは未来になって叶ったということだ。
今の俺には、騒がしい友達がたくさん居る。
子供の俺には分からなかったかも知れないが、小学校でイジメられようが、気味悪がられようが友達はできるものだ。
それはともかくとして、気になるのは、だ。
何故かその日のその出来事だけは今でもはっきりと覚えているらしい俺。
しかし、はっきり覚えているなりにその出来事はゾッとする。
あの時、通じたのはどこだったのか?
そして、何故通じたのか。
何故だか、その小学校の頃、電話に答えながら悪寒がしたのは何故だったのか。
不思議な思い出のままではあるが、思い出すと幽霊などと遭遇する時と同じように悪寒がする。
そして、今でもクリスマスに思い出す。
今でも好奇心で電話してやろうかと思う。
しかし。
それを実行することはない。
たとえ、小学校の頃とはいえ、電話の向こう側に悪寒を感じた俺の感覚に、俺は今も助けられて日々を生きているからだとしか言いようがない。
興味がある人は一度やってみるといいかもしれない。
しかし、変なことになって俺は知らないので、自己責任で。
怖い話投稿:ホラーテラー 零番さん
作者怖話