Bの話。
夜、温泉からの帰り道に峠を走っていると後ろからパッシングされた。
新車でならし運転だったためスピードは出ていない。
道を空けようと左に寄ってミラーを見ると、発売後間もない自分の車と同じもの。色まで同じ。
当然、興味が湧いた。
どんな奴が乗っているのかと。車が並んだときに覗き込むと、そこには良く知った男がいた。
なんと自分自身が運転していた。
もう一人の自分はニヤリと笑い、スピードをグンと上げると追い越してガードレールを突き破り、夜の虚空へとダイブした。
爆発音と共に火柱が上がった。
その友人は現場で慌てて車を降りたがガードレールは壊れておらず、事故を起こした車もなかった。
Bは震えながら自宅へ帰ったそうだ。
「電話したのは,もう一人の俺だよ。」
そう答えるBはがたがたと震えていた・・・。
怖い話投稿:ホラーテラー Lさん
作者怖話