5年前、私は奈緒子という女から彼氏を奪った。
(今は結婚して彼は私の旦那様です)
人の彼氏を横取りした私に非は有るが、奈緒子の逆襲は凄まじかった。
会社や実家への無言電話、近所に卑猥なビラを貼られたり、リスカした写真を送りつけてきたり…。
さすがに精神的に我慢出来なくなって、私と彼は話しをつける為に奈緒子の住む部屋へ向かう。見た目30階建て位の良い暮らししてんな~って感じの立派なマンションだった。
14階へ上がるボタンを押す彼の手が慣れてる感じがしてちょっと嫉妬。
呼び鈴を押すとあっさりと奈緒子は出てきた。
『入って』口元が笑ってる様に見えた。
最初は座って淡々と話していたが、うんともすんとも言わない相手に私はイライラして口調も荒くなっていった。
すると奈緒子はすっと立ち上がり、いきなりベランダに走り出した。一度冊に手をかけて、くるっと私達の方に向き直ると笑いながらこう言った。
『私は生き返るよ…アハハハハハハ』
その後は予想通り、鈍い音と通行人の叫び声…。もちろん私達も警察に事情聴取された。
せいせいした。正直心からそう思った。最低だが。
半年後私達は結婚した。そして最近私は妊娠が判明して喜びと…どん底の間に居る。
可愛い我が子が産まれる予定日、それは偶然か必然か、奈緒子がこの世から消えたあの日と同じ日にちだからだ。
彼女は生き返るのか、私のお腹に宿ったのは彼女からの刺客なのか偶然を主張する旦那を横目に私の不安は拭いきれない。
今妊娠10週目。決断の時は迫っている。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話