続きです。
サークルに行くと、すでに友人や先輩たちが来ていました。
「久しぶり。」
僕がそう言うと、みんな笑い、昨日会っただろと口々に言いました。
みんなまで…
そう思いました。
練習が始まり、友人や先輩は「昨日の話だけど…」と話しかけてきました。
しかし、僕は昨日会ってません。
「昨日?」
と言えば、みんな笑って馬鹿にするので、もう言うのはやめました。
普段絶対に嘘を吐かず、嘘を吐けばすぐに顔に出る先輩ですら、真顔で昨日の話をしてきます。
あまりに意味がわからなくなってき、僕は本当のことを言いました。
昨日は、塾にいたということを。
しかし、誰も信じてはくれません。
まるで僕が嘘つき扱いです。
そうこうしていると、昨日メールを送ってきた友人が、遅れてやって来ました。
彼はうつ向いたまま、僕に近づき、僕に何かを押し付けてきました。
DVDでした。
そして、友人は言いました。
「昨日、あのあとこれ見たんだ。でも…なんで?」
「なにが?」
「ここに出てきてるの、俺なんだよ。俺が自分の地元や自宅の紹介してる。俺…こんなの撮った記憶ねぇよ」
全く意味がわからない。
その異様な空気を先輩は読み取ったのか、
「貸せ。俺が確認してやる」
と言いました。
その日は、先輩にDVDを預け、翌日またサークルへ行きました。
先輩がいました。
先輩は怒っているようで、僕の胸ぐらを掴み、怒鳴り付けました。
「どうなってんだ!!出てきてんのはアイツじゃなく、俺じゃねぇか!!あんなの俺知らねぇぞ!!」
結局、そのDVDは先輩が腹を立て、割ってしまったそうです。
友人と先輩が言うには、以前会った僕も、DVDの中の友人や先輩も…満面の笑顔だったそうです。
今でも意味の分からない話です。
まぁでも、みんなの思い過ごしだといった具合に、忘れることにします。
今までありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話