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短編2
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首なし

あれは数年前の事でした。

私と母親、従兄弟と従兄弟の母親の4人で田舎(高知県)に行こうという事になりました。

私の家から田舎までは車で7時間ぐらいかかるので、夜の10時に出発して朝一番に到着する計画でした。

免許を持っているのは私と従兄弟の2人だけで、初心者である私は交通量の少ない夜中に運転を任される事になり、旅費節約と私が初心者である事から高速道路は使わず、一般道で高知県を目指しました。

徳島県に入り、深夜1時すぎに従兄弟が眠気に襲われた為、運転を交代した私は高知と書かれた標識を頼りにバンドルを握りました。

田舎という事で信号はほとんどが点滅に変わっていた為、快調に進み、私以外はすっかり眠りについていました。

徳島県を通過しようかというところで、ずっと点滅だった信号が赤に変わりました。久しぶりに停車した事で少しばかりホッとした私は従兄弟が座る助手席の足元にあるCDを取ろうと手を伸ばしました。その仕草に従兄弟が

「ん?CDか?今どの辺?」

と目を覚ましました。

「もうすぐ徳島県抜けるよ」

と私が答えると、突然従兄弟が叫びました。

「行け!!早く行け!!」

私は「赤信号なのに何言ってんの?」と思い

「赤信号やで」

と言うと

「いいから早よ出せ!!」

と物凄い形相である1点を見つめていました。

その怒鳴り声に後部座席にいた母親達も

「何よ!事故したんかいな」

と目を覚ましました。

従兄弟のあまりの迫力に私は仕方なく赤信号を無視し、ゆっくりアクセルを踏みました。その間もずっと1点を見つめる従兄弟の視線が気になった私は従兄弟に聞きました。

「何やねんな」

すると

「あれ!!あれ!!」

と、従兄弟が恐る恐る指差した約5、6メートル先の電話ボックスに、首のないスーツ姿の人が立っているのがハッキリと見えました。

「キャァァァ」

後部座席にいた母親達もパニックになり叫び声をあげます。

私は恐怖のあまり足が震えて動けなくなりました。そんな私を見かねた従兄弟が

「どけ!!運転代わる」

と、勇敢にも外に飛び出し運転席ドアに回り込んで来ました。私も気力で手席に回り込み、ふと電話ボックスの方を見た時、首なしが電話ボックスの扉を開けるのが見え、私は助手席で気を失いました。

気がつくと目的地に着いてました。「あれは夢か?」と思い、従兄弟に聞くと「もうその話はするな」と聞いて現実だと確信しました

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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