※本作品は前編・後編の二部構成になっております。一話にまとめきれなかった事と話がこんがらがる事に、あらかじめお詫び致しますm(__)m
最後まで御覧頂けますと、多少のご理解を頂けると思いますのでよろしくお願い致します。
まずはこの話に登場する人物を簡潔に紹介させて頂きます。
1、大村・・・女。やや自己中。
2、沢田・・・男。大村の彼氏。温厚な性格。
3、相川・・・女。仕切り屋。リーダーシップを発揮する。
4、神谷・・・女。怖がり。真面目な性格。
5、上野(兄)・・・男。双子の兄。おとなしい。良くいえばクール。
6、上野(弟)・・・男。双子の弟。兄とは違いおちゃらけた性格。ムードメーカー。
7、斎藤・・・女。上野(弟)の彼女。性格はよく分からない。
8、私・・・男。KY系男子。
登場人物はまだいるのですが、これ以上書くとややこしすぎるので登場時に説明します。それでは・・・
大学三年生の夏。相川は、よく遊ぶ仲間を集め、旅行の計画を提案した。メンバーは上記の8人。
ただ地方へ行くのはつまらないので、みんなでキャンプをしよう!ということになった。
八月某日の早朝。相川、神谷の準備してくれたレンタカーでキャンプ場のコテージへ向けて出発した。運転手は沢田だった。
途中で買い物などしてキャンプ場に到着したのは、昼過ぎだった。
山に囲まれた景色。コテージ前には川が流れる。典型的なキャンプ場だった。コテージは数件あるのだが、八月終盤だからか他の客は居なかった。
キャンプ初日・・・
到着後は、川で少し遊び、みんなで夕飯の準備をした。大村と沢田はカップルでいちゃついていた。
夕食を食べ酒も入る。盛り上がった所で川辺にて買ってきた花火をした。
辺りはすっかり暗くなっていた。空気は澄んで、星空が綺麗だった。しかし、やはり夏。蚊にさされ半数のメンバーはコテージに戻った。
川辺に残ったのは大村・沢田カップルと上野(兄)、私の四人。私は酔っていたので、川に足をつけて上野(兄)と座っていた。
少し離れた所にカップルが座る。上野(兄)は気をきかせてコテージへ戻る。KYな私は、酔いを覚ます為残っていた。
何分がたったのだろうか?酔っていた私が沢田カップルの方を見ると、いつの間にか居なくなっていた。
突然奇妙な音が聞こえてくる。
カタカタッ、カタッカタカタカタッ、カタッ、カタカタカタカタッ、カタカタカタ。
奇妙な音が聞こえたかと思うと、目が何も見えなくなり意識がなくなった。
気が付くと上野(兄)が目の前にいた。私がコテージへ戻ってこないので、心配して迎えに来てくれていた。いい奴だ。
二人でコテージに戻ると、沢田カップルの姿はなかった。まだ戻ってないの?と尋ねると上野(弟)は
『野外プレイじゃない?』(笑)
と沢田と大村の事を茶化していた。その内戻ってくるだろう。という結論になり六人でトランプをした。
罰ゲームありのトランプに白熱し、気付けば深夜二時。沢田カップルはまだ戻って来ていない。心配した神谷が
『ちょっとあの二人、遅すぎじゃない?』
と一言。対して上野(弟)は
『車でラブホまで行ったんじゃない?電話はするなよ!進行系かもしれないから』
と言った。神谷は気になるらしく、少し離れた駐車場まで車を見に行く!と言いだした。しかし、一人で行くのは怖い。
結局六人全員で駐車場へ向かった。五分ほど坂道を登り駐車場へ着く。車は・・・・・・・・・
ない。『やっぱりね!』と上野(弟)。更に『明日の朝には帰って来るんじゃない?』と。
六人で再びコテージへ戻る。沢田カップルには明日まで連絡しない事にしてみんな寝た。
キャンプ二日目・・・
朝、私が起きたのは六人の中で最後だった。女三人が朝食を作ってくれていた。食卓での会話は沢田カップルについてだった。
どうやら相川と神谷で朝食を作る前に駐車場へ車の確認に行ったらしい。車はない。更に沢田、大村の携帯に連絡しても繋がらない。
この話の説明中、神谷は不安な表情だったが、相川は二人の勝手な行動に腹を立てていた。他の四人も同感だった。
結局、沢田と大村が帰って来てあやまるまで相手にしない事にして、この日はみんなで近くの山を探険する!に決定。
とりあえず探険の昼食に必要な弁当を作った。そして午前十一時すぎ。六人はコテージから見える目の前の小さな山の頂上を目指し出発した。
小さな山とはいえ、いざ登り始めると以外にキツイ。だらだらと会話しながら進み、山頂に到着したのは午後二時ぐらいだったと思う。山頂にて昼食、記念撮影。
山頂にいた時間は短かった。辺りが暗くなる前に下山しなくてはいけなかった。登山コースではなく、コテージまで直進で山道を下る。
道は荒れ、靴は泥だらけ。足はくたびれて、全体の半分程下った地点で休憩。
相川は『暗くなる前に早く降りよう!!』とみんなに言ったのだが上野(弟)の彼女、斎藤はみんなのペースに無理矢理あわせていたらしく疲れている。
ここで早く下山したい派とゆっくり派の半分にチーム分けをする。私は上野(弟)斎藤カップルの三人、ゆっくり派になった。
残りの三人はすぐに下山を再開。ゆっくり派は斎藤が落ち着いた所で下山を再開。二組の再開する時差は二十分弱だった。
再び歩き始めて数分後、道中の会話は沢田カップルについての批判。すると斎藤が
『なんか嫌な予感がする。』
とつぶやいた。前々から斎藤は私にとっては不思議ちゃんのイメージだった。少し苦手なタイプである。斎藤の一言で場が冷めたので私は
『虫刺されがかゆくて早く下山して薬を塗りたいから先に行くね!』
とテキトウな理由をつけ、二人の元を去る。二人の視界から見えなくなるまで急ぎ足で下山。二人との差をあけた所で歩きに戻した。
すぐに下山を再開したチームは見えない。ふと一人きりになった事が不安に。また急ぎ足に戻すと焦る気持ちが私を転ばせた。起き上がろうとした時、
カタカタッ、カタッカタカタカタッ、カタッ、カタカタカタカタッ、カタカタカタ。
昨日の夜に聞いた音が・・・・・・意識が薄れて行く・・・
気が付くと夕暮れ。山の中だから普段よりも暗く感じる。再び聞いた謎の音と一人きりの暗闇は私をダッシュさせた。
無我夢中。どのくらい時間が掛かったのだろうか?コテージの前まで着くと夜になっていた。いち早くみんなに恐怖の出来事を話そうとドアを開けた。
コテージには三人。相川、神谷、上野(兄)の先に下山したメンバーしかいなかった。しかも怯えている様子。
上野(兄)の第一声は『大丈夫だったか?他の二人はどうした?』
上野(弟)と斎藤の二人はまだ帰ってない?二人と別れてから、かなりの時間が過ぎているのに?頭の中がぐちゃぐちゃにパニクった。
更に上野(兄)は話し続ける。
『実は俺たちが下山して出た所は川辺の近くだったんだ。そこでソレが転がっているのを見つけて・・・』
と言いながら指した指先には沢田の靴があった。頭の中は完全にショートする。思考回路の回復に少々時間が掛かった。
落ち着いた所で、頭の中を整理する。まず帰って来た時、三人が怯えて見えた理由が分かった。次に消えた四人は無事なのか?そして 謎の音は?
警察には連絡したらしい。しかし、夜も遅く山中。明日の朝一でしか来てくれないと。
私は三人に恐怖の出来事を話し、謎の音について聞いた。三人とも、謎の音は聞いていない。と答える。
結局、いろいろ話したが謎の音と四人の失踪は未解決のまま。
恐怖感は消えない。しかし登山の疲れ・精神的ショックは、いつの間にか四人を眠らせた。
キャンプ三日目深夜・・・
後編へ続く。
怖い話投稿:ホラーテラー ティーリリリィさん
作者怖話