地獄の底の血の池で、罪深き亡者共が蠢く。
そこに、天から一本の細い糸が垂れてきた。金色に光る細い細い糸だ。
一人の亡者が糸によじ登る。
細い糸をたどり天まで行くつもりのようだ。
だが、糸に大勢の亡者共が飛び付いた。
重みで糸は切れ、亡者共は再び血の池に落ちて行くのだった…
天では、釈迦が舌打ちをした。
「あーあ、また糸が切れちゃったよ…
今のは十匹以上かかってたのになあ…」
隣にいた弥勒菩薩が残念そうに言った。
「惜しかったですねー。でも釈迦さん、この前、凄いの釣ったって聞きましたよ。」
釈迦は写メを見せながら自慢気に話した。
「13匹一気に釣ったんだ!ほら、見てみ。みんな悪そうな顔してるだろう?」
「ほう、これは見事な罪を釣りあげましたねえ。で、みんな浄化してあげたんですか?」
「いや…みんな血の池に逃がした。だって…面倒くさいじゃん…」
二人は顔を見合せて笑った。
釈迦が立ち上がり言った。
「釣りも飽きたし、針山でUFOキャッチャーでもやろうぜ!」
そして二人は血の池を後にした。
暇を持て余した神々の遊び。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話