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中編3
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寝れない

私の伯母が体験した話を一つ。20年くらい前になるかな。伯母が当時働いてた会社で、社員旅行に行く事になった。

泊まる旅館の外観は、特に良くも悪くもなく、いわゆる普通の旅館。中居さん達も皆感じよく、社員のみんなを丁寧に部屋まで案内してくれた。

4人一部屋の和室で、伯母のグループは「移動で疲れたから、少し部屋で休もうか」とさっそく案内された部屋に入った。

戸を中居さんがあけ、伯母達が部屋に足を踏み入れた瞬間、伯母は違和感を感じたそうな。

部屋が異様に暗い。窓からはちゃんと日が射しているのに、部屋の奥に進むにつれ空気がドヨーンと重く暗く変わっていく。

(伯母は決して霊感が強い訳ではなく、むしろ全く見えない類の人だが、感じる程度の霊感はあるらしい)

その空気の重さを発してる正体がなんなのか。伯母は部屋を見渡しすぐに気付いた。

長方形になっている部屋の一番突き当たり、右側奥に古びたタンスが置いてあるのだ。直感で、コレがおかしい。と感じた。普通、旅館の部屋にタンスはない。しかも異様に古びていて、あちこちが黒ずんでいる。気持ち悪い…だが、この部屋に泊まるのは私だけではなく他に3人いる。

今ここで、私がこの事を口に出すことによって、みんなの旅行の楽しい気分をぶち壊してしまったら…と思い、黙っていたそうだ。

みんな荷物をおろし、しばらくして隣の部屋に遊びにいったり夕飯や温泉を楽しんだ後、伯母たちは自分達の部屋に戻りさて寝るか。と床に着いた。

部屋は相変わらず薄暗く、気持ち悪いまま…だが遠出の疲れもあり、すぐに寝れるだろう。そう思っていたが電気を消して…一時間、二時間、三時間たってもなかなか寝つけない。

隣で寝ている友人達も、寝返りばかりうち何だか落ち着かない様子なのがわかる。

幽霊が出た!とか分かりやすい現象も起きないまま、とうとう一睡も出来ずに朝が来た。

体を起こすと、隣で寝ていた友人達も起きはじめた。伯母が「あまり寝れなかった」と話しかけると、他の3人も皆「私も一睡もできなかった。」と口を揃えて言ったらしい。

やはり部屋がおかしいのか、どうせ今朝チェックアウトなので皆にタンスの事を言ってみようと、伯母はこの部屋に入ってすぐに感じた違和感の事などを3人に話した。

すると3人も、それぞれ全く同じ思いをしていた事がわかったそうだ。

伯母は、当時の事を笑いながらこう話しを締めくくった

「だっておかしいよね。普通旅館の部屋にタンスなんてないし、そのタンスに対面する壁に般若信教が書いてある掛け軸と、坊さんの仏像が置いてあったのよ。それと古びたタンスの間のスペースであたしら寝てたんだけど、そりゃ寝れないよねw」と。

オチはないが、本当の話し。今その旅館が存在してるかはわからないが、部屋に違和感を感じた場合はすぐに変えてもらったほうがいいのかもしれないね。

長文駄文怖くなくてスマソ

最後まで読んでくれてありがとう。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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