ある家族が一泊の旅行に出かけようとしたときの話
家族はお父さん、お母さん、6歳の男の子と3歳の女の子の4人
おばあちゃんもいるんだけど、「今回はパス」って事で留守番することになった。
高速の渋滞も考慮して出発は早朝の4時
まだ半分ぐらい眠った状態の子供たちを車に乗せ、静かに出発。
30分ほど走った頃、長男が目を覚まして言った。
「あれ?もう出発してるの!?ボク、おばあちゃんにいってきますって言ってないよ!」
それを聞いて妹も目を覚まし、
「わたしもおばあちゃんにいってきます言いた~い」
と騒ぎ出した。
わかったよ。と携帯を取り出して、電話をかけようとすると
「お顔見て、いってきますって言いたい!」
「わたしもおばあちゃんのお顔みたい!!」
30分も走ったんだから電話でガマンしろよ~となだめるんだけど
「絶対おばあちゃんの顔を見てから!」
と珍しく言うことを聞かない。
挙げ句の果てには
「もう旅行いかないっ!」
と泣き出す始末。
せっかくの家族旅行
子供たちにも楽しく過ごしてもらいたいと思い、渋々Uターンすることに。
家に着き、
「ほら、挨拶しておいで。」
と玄関を開けてやると、なんとなくおかしな雰囲気
「おばあちゃん…?」本当ならもう起きてる時間なのに家の中は静まりかえって真っ暗
そして、静寂の中からかすかな呻き声が聞こえてきた。
「母さん!?」
「おばあちゃん!!」
部屋を開けると、胸を押さえ苦しそうに倒れているおばあちゃんの姿!
すぐに救急車を呼び、一命は取り留めた。
原因は心筋梗塞
もし、処置が遅れていたら助からなかっただろうとのこと。
子供たちは
「旅行へ行く前におばあちゃんの顔が見たかっただけ」
と言うが、何か感じるものがあったのかもしれない。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話