※前作同様の構成になっておりますので、創作が嫌いな方にはオススメ致しかねます。また前作を御覧頂いた後の閲覧をオススメ致します。暇であれば御覧ください。
最近おかしな夢をよく見る・・・・・・
布団から起き上がり、自分の部屋(二階)から階段を下り台所へ向かう。
「ピンポン!」
玄関のチャイムを鳴らす音が聞こえるが、家族は誰も玄関へ行かない。いや正確には家に私以外誰もいない。
仕方がなく私は玄関へ行くのだが、扉を開けると驚きの光景が・・・
目の前には包丁を持つ私がいる。ニヤリと笑う、もう一人の私に恐怖し逃げ回るのだが追い詰められる。
もう一人の私が包丁を私の腹に突き刺す。私は薄れ行く意識の中で、目の前の私がつぶやく言葉を記憶する。
『これで俺が一番だ・・・』
夢から覚めた私はいつも汗だくになっている。度々見る夢は妙に生々しい。おかげで寝不足気味だ。
私の家族は父と母、兄と私の四人。兄とは歳が近く仲が良かった。しかし兄は運動神経、学力成績共に優秀。私はバカでノロマ。両親からすれば、兄を誇りに思い、可愛がるのも当然の事。兄にいい所をすべて持っていかれた私に両親は厳しかった。
私と兄、唯一の共通点は顔が似ている事。家族だから当たり前なのだが・・・
兄とは趣味・性格が正反対。まったく違う考え方だったからこそ逆に相性は良かった。
悪夢にうなされ続けて一週間目・・・
精神的に疲れた私の顔は、やつれていた。心配した友人Aは『大丈夫か?』と優しく声をかけてくれる。
友人Aは親友だ。気遣いは嬉しかったし、日頃からよく遊んでいる。
悪夢にうなされ続けて一週間と三日目・・・
相変わらず悪夢は毎晩続く。内容も同じ。
学校の休み時間。友人Aに悪夢について相談する。友人Aは
『不気味な夢だね。毎日同じとか・・・最近嫌な事とかあった?・・・気分転換に明日どっか遊びに行こうや!!』
翌日は学校も休みだったので、友人Aと遊ぶ約束をした。
悪夢にうなされ続けて一週間と四日目・・・
朝から晩まで友人Aと遊んだ。家に帰ると一日はしゃいだ事もあり、すぐに眠ってしまう。
悪夢にうなされ始めて一週間と五日目・・・
昨夜は悪夢を見なかった。友人Aにお礼を言いたくて、学校に行くと友人Aは休みだった。風邪らしいが・・・
夜。私の悪夢は再開した。
悪夢に再びうなされて一日目・・・
終わりの見えない悪夢に疲れ、私は学校を休んだ。夜。悪夢は終わらない。
悪夢に再びうなされて二日目・・・
私は病んでいたのだが、二日連続は休めなかった。母親に無理矢理学校へ行かされる。
学校で友人Aに一昨日言えなかったお礼をした。友人Aは『気にすんな、友達だろ!』と。私は嬉しかった。だが、その後の友人Aの会話・・・
『昨日の夕方はあそこで何してた?もしかしてズル休みだった?』
???
私は『いや、昨日は一日中家に居たよ。見間違え、人違いじゃない?』と言ったが、友人Aは
『そんなはずがない。だって、この前遊んだ時と同じ格好だったぞ!!』
???
友人Aは親友だ。これ以上疑う訳にはいかない。謎を残したまま、会話を変えた。
家に帰り、兄に悪夢について相談する。兄は
『ネットで調べてみれば?』
助言をくれた。私は似たような体験をした人がいないか色々なキーワードで検索した。辿り着いた結論は、
【ドッペルゲンガー】
もう一人の自分の存在。本人が目撃すると不幸が訪れる。噂では目撃後に死亡する説もある。
私は恐ろしくなり、怯えた。夜。布団に包まり震え続けた。
悪夢の始まりから二週間と一日目・・・
昨夜は恐怖で眠れなかった。朝、母親が部屋に来た。学校へ行くように説得された。私は頑なに反抗した。そして学校を休んだ・・・
悪夢の始まりから二週間と二日目・・・
恐怖に怯え続ける私は眠らなかった。昨日同様、母親が再び部屋に。私は母を部屋から追い出して、【死】の恐怖に震え続ける。
悪夢の始まりから二週間と三日目・・・
もう丸二日眠っていない。空腹と睡眠不足。視界は虚ろである。昨日同様?人が部屋に入ってくる・・・
兄だ。どうやら今日は祝日で学校は休みらしい。兄が私に話し掛けた。
『父さんと母さんは仕事で家にいないから・・・あと、俺は・・・・から、・・・・・・・?あ・玄・・・・・・て・・・て・い?』
鈍った頭では会話を聞き取る力がなかった。
薄れゆく意識・記憶・・・
兄に手を引っ張られ玄関へ・・・
階段を昇り・・・
疲れの限界で眠ったらしい。
目覚めた私は空腹を満たすため、自分の部屋(二階)から階段を下り台所へ向かう。
「ピンポン!」
玄関のチャイムを鳴らす音が聞こえる。家の中に響く音。誰も玄関へ行かない。
『また悪夢?』
恐る恐る私は玄関へ行くのだが、扉を開けると驚きの光景が・・・
目の前には私がいる。ニヤリと笑う、ドッペルゲンガー?
もう一人の私に恐怖し逃げ回るのだが追い詰められる。
私は台所で包丁を取り、ドッペルゲンガーの腹に突き刺す。恐怖に怯える私だが、目の前の倒れゆくドッペルゲンガーにあの言葉を・・・
『これで俺が一番だ・・・』
ついに悪夢に打ち勝った!!!あとは目覚めて、空腹を満たそう!!
???
私の足にしがみつくドッペルゲンガーは、
『おまえになりたかっ・・・』
???
しがみつく手、足の感触。
覚めない夢・・・
苦痛に歪む私の顔・・・・・・・・・!?
兄の顔!!!
床に広がる大量の血は、青ざめる私の引いた血の気を表現していた・・・・・・
完
【解決編】
1、なぜ兄を自分と間違えた?→双子であり、顔は似ている。私の服を借りたから。
2、兄は歳が近く、双子ではないのでは?→「歳が近い」は双子である為、生まれる時差の解釈をひねくれた表現に変えた。
3、2での回答はこじつけ!無理矢理すぎる!!→オチをごまかすカモフラージュなので、大目に見て頂けると有り難いです。すみませんでしたm(__)m
4、友人Aの見たドッペルゲンガーは?→兄が私の服を着た姿。
5、兄のとぎれた台詞は?→『父さんと母さんは仕事で家にいないから・・・あと、俺は出掛けるから、服を借りていい?あと玄関の鍵を閉めてもらっていい?』
6、なぜ兄はニヤリと笑った?→私(弟)に「迎えてくれてありがとう」という気持ちの表情(設定)。本編の悪夢に重ねる為の演出。
7、設定は?話のすじは?→私【双子の兄にコンプレックスを持ち、悪夢を見るようになる】
兄【密かに弟(私)のファッションに憧れを持つ】
話の流れ【私の悪夢→兄の服を借りる行為→私の疲れ、思い込み→ドッペルゲンガーを殺す→兄だった】
8、冒頭の挨拶は?→前作に登場した上野(双子)にヒントがあり、コメント欄にも本編にヒントがあると告知しているから。
9、意味が分からない。おもしろくない。→私の力不足です。お手数ですが、今後の為にアドバイス等を頂けると幸いですm(__)m
10、どこが怖い話?→嫉妬から生まれる殺人。
11、タグ『本当にあった怖い話』は?創作のジャンルがなく、有名な話・都市伝説でもないので。すみません。
上記解決編の内容以外に、ご不明な点がありましたらご質問下さい。最後まで読んでくれて有難う御座いました。
m(__)m
END
怖い話投稿:ホラーテラー ティーリリリィさん
作者怖話