短編2
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ミーナ人形

フランスの話。

ずっと前の話。

遠い昔のお話。

大きな豪邸に住む夫人は、珍しいもの好きでした。

ある日、世界に一つだけのフランス人形が欲しい、と言い、家政婦に作らせました。

家政婦はフランス人形を作り、それを夫人の元へ持っていくと、夫人は呆然としました。

なんなの!?この目のないフランス人形は……!

家政婦は言いました。

私の娘は生まれつき目が見えませんでした。リハビリの最中、野良犬に左手首を噛まれ、死にました。そんな娘をモデルとしたフランス人形です。

夫人は目のないフランス人形を見ながら、家政婦に訪ねました。

名はあるの?

はい、あります。

申しなさい。

ミーナです。

それならこの人形をミーナ人形と名付けましょう。

夫人はそう言い、ミーナ人形を部屋に飾りました。

その夜、夫人は不気味な泣き声で目が覚めました。棚のほうから聞こえてくる声。ゆっくりと棚のほうへ行くと……

ミーナ人形の目から血が流れていたのです。

きゃあああ!!!

夫人は叫び、そのまま気絶をしてしまいました。

翌朝、家来たちがミーナ人形を捨てました。人形を作った家政婦は、うつろな目でミーナ人形を見ていました。ミーナ人形はゴミ捨て場に放置されました。

しばらくして、夫人に異変が起きました。左手首が締め付けられるように痛みがする、と訴え続けていました。

人形を捨ててから二日後。夫人の左手首に噛まれたような跡ができ、まもなく亡くなりました。

ゴミ収集車の運転手の話。

ここに捨てられていた人形、腕に穴が空いてました。左の手首らへんに。

夫人が亡くなり、誰もいなくなった部屋。まだそこから泣き声が聞こえてくるそうです。

あの家政婦には見えるのです。

寂しそうにしているミーナ人形が目から血を流しながら、棚にいるのを……。

長文失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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