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中編4
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夢と現

あのね、小学生の時にね、怖い夢をみたの。

髪がスゴく長くてボサボサな人でね、真っ白な髪の毛なの。

顔も真っ白なんだけど赤いの。

おじいちゃんみたいな感じなんだけど、スゴく元気いっぱいでね、スゴくね早く走って追いかけて来るの。

手にね、とっても大きな包丁を持っててね、ずっと追いかけてくるの。

ぼくね、たくさんたくさん逃げたよ。どっかのお家の隅っこの段ボールの裏に隠れて隙間から見てたの。

その人は、ぼくを見つけれないみたいなの。

でね、隠れてるぼくに向かって

「まだまだ終わらんよ。コレからもずっと探し続けるよ」

って言ってきたの。

そこで起きたよ。起きたらスゴく泣いてたよ。

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俺が高校になってからのこと。

部活やら道場やらへと顔を出し、身体を頻繁に動かしているせいか、泥のように眠りに着き、ほとんど夢を見た覚えがないが、この夢だけはしっかり覚えている……チビだった時に見た夢と同じ夢。

深夜の町を、あてもなく歩いている夢。

周りは人の気配も無く、その世界にいるのは俺一人……だと思っていた。

しかし、俺以外にもう一人存在していた。

異様な乱れた白髪、顔には白粉を塗りたくり、その上から赤のラインが引かれている。

歌舞伎役者の様なメイクだ。

そいつは大ナタを片手に、こちらへと向かってくる。

一歩一歩、ゆっくりと。

そいつと目が合い、俺はヤバいと察した。

歩いて来た方向へと走り出した。

しかし、夢の中とは不思議なもので力が上手く入らない。

振り返って見れば、スグ背後にヤツはいた。

大ナタを振りかぶり、切りつけきた。

格闘技をしているお陰か、はたまた夢の中だからなのか、間一髪避け切り、俺は近くの民家へと逃げ込んだ。

家へ入るとリビングには無造作に積み上げられた段ボール。その裏へ隠れ、息を潜め、段ボールの隙間から様子を伺った。

ヤツも俺を追って、家の中へと入って来るが、俺を見つけきれないらしい。

そいつが、その場を立ち去ろうと足を運び始め、俺はホッとし……

「まだまだ終わらんよ。次こそは見つけ出してやるよ」

ゾッとした。

夢から覚めた俺は汗で枕を濡らしていた。

夢でよかった……しかし、この夢は、この先もまだ見ることとなるのか……

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私は高校を卒業後、警備会社へ勤めることとなりました。

そんなある日の出来事です。

私はいつもの様に懐中電灯を片手に一つ一つの部屋を見廻りに行きました。

夜勤なもので、ビルの関係者は誰もいるわけもなく、そのフロアは私一人の担当なので、その場には、もちろん私一人しかいません。

カツンカツンペタンペタンと靴の音が廊下を響かせ、より一層不気味さを漂わせています。

そんな中、見廻りで覗いた一室。なにやら資料室らしいのですが、全く整理されておらず、プリントやら段ボールやらが無造作に積み上げられています。

中へと入り、暗闇に一人という現状と、この無造作に積み上げられた段ボールを見て、私は以前に見た夢を思い出しました。そして、思い出したと同時に聞いてしまったのです。

「やっと見つけた……」

私は懐中電灯も忘れ警備室へと無我夢中に走りました。

血相を変えた私を見て同僚達が「どうした!?」「何があった!?」と心配してくれ、私は先ほどの事を彼らに話、その同僚の一人が

「よし、俺が見てくる」

と、資料室へと一人向かいました。

彼が資料室へ向かい数分後、カツンカツンと足音が部屋に近づいてき、彼が警備室へと入ってきました。

彼は戻ってくると

片言で

「ナニモ ナカッタヨ…」

そう言いましたが、私は信じませんでした。

何故なら彼の目はとても虚ろで

そして

何より彼はブリーフ姿で帰ってきたのです……。これで何もなかったはずがありません。

(ちくしょう!!よくも、俺の同僚を…)

私は、戦友を失った悲しみと自分の無力さに涙を滲ませました。

「お前の家族には

お前が勇敢に戦い

そして、勇敢に死んでいった事を伝えるよ……」

私は彼が死んだ事を前提でも話しを進めていきました

そして、もう一人の同僚は彼の尋常じゃない様子に怯え机の下で現実逃避の真っ最中ときたもんだ。

(チッ!!使えない奴め!やはり、ここは俺が何とかしないと)

私は心の中で毒づくと近くにあった主任の食べかけドーナツを掴み

「悪霊退散ーー!!」

の掛け声と ともに全力で投げ付けた。

ドーナツは彼の顔面にヒットしたが、まったくと言っていい程 効果はなかったようだ…

彼は不敵な笑みを浮かべるながら

「カモン ボーイ!?」

と、絶叫し始めた!!

私は とてつもない恐怖と貞操の危機を感じながらも勇敢に立ち向かった

またしても近くにあった主任のサブマシガンを手にとると

「僅かばかりの食料と水

そして、

僅かばかりの希望をください!?」

と、自分ではうまいことを言ったつもりで

銃をぶっ放したのであった…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん    

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