僕が行きつけの美容院で聞いた話しです。
感動モノです。
いつも僕の髪を切ってくれるおばさんのお話。
おばさんが結婚して嫁いだ先の姑さんがすごく優しい人で自分を本当の娘のように可愛がってくれたそうです。
優しい姑さんはまるで本当の母親のようでおばさんは姑さんのことを「お母さん」と呼んでいたそうです。
そんな幸せな日々の中、不幸は突然やってきました。
姑さんが事故にあい亡くなってしまったのです。
その時自分のお腹には赤ちゃんがいました。
姑さんも早く孫を抱いてみたいと喜んでいたそうです。
おばさんはあまりのショックでウツ気味になってしまい毎日姑さんの事を思い出しては泣いていたそうです。
そんなある日、おばさんは不思議な夢をみました。
夢の中で自分は一面真っ白な部屋にいて、大きな窓とキレイなカーテンがあり、窓の外は雲ひとつない青空。
心地よい風が吹き、カーテンがひらひらと揺らめいていたそうです。
その部屋でおばさんは窓から外を見ながら
「お母さ~ん、お母さ~ん」
と姑さんを呼んでいたそうです。
すると窓の外に亡くなった姑さんが現れ 優しく微笑みながら一言つぶやきました。
「もうお母さんはあなたでしょ」
そこで夢から覚め、自分でも気づかないうちに涙がこぼれていたそうです。
僕はこの話を聞いて初めて美容院で泣きました。
怖い話投稿:ホラーテラー はなおさん
作者怖話