以前の投稿にも書いたように、私は今は地元で外の仕事をしていて、今週で終わるが山の中で働いている。
帰りに農道を5~6頭の猪が封鎖してたり、フクロウ救出と毎日何かある。
今日は最高気温が17度。12月とは思えない陽気で、近くの家の猫も道路でひなたぼっこ。
近くに来ないかなぁ~…などと思いつつ、見通しの良い場所を求めて2メートルばかり移動した。
途端に、まるで冷蔵庫のようなヒヤ~っとした空気が。
あれ?何で?
振り返ると、そこは奥にある家の車庫と庭。
しかし、陽があたっているのに空気は異常に冷たく、車庫の周りには苔まで生えて湿気だらけ。
しかも、風もないのに「ゴーッ」と微かに音すらする。
試しに戻る。
ポカポカ…。
移動。
ヒヤ~…ゴーッ…。
やっぱり変だ。ここだけ、空気がおかしい。
さて、原因は…あれか!
すぐに解った。
私が立っている道路の右手。そこにはさんさんとと太陽の光を浴びる、綺麗な墓石が二つ。
そして、あの冷気漂う場所の正面は緩やかな傾斜の段々畑。
ずっと下がって川。
そして川の向こうの山手には、山間部でよく見かける傾斜面にある墓。
どう考えても、陽の光を浴びることの無い木陰になっている。
遠目にも分かる、ジトッとした湿気と陰気な空気。
墓石は古く、苔むしている物もある。
とにかく凄い負のオーラ。
手前にある墓石に向かって、
「羨ましい…妬ましい…」
という声が聞こえてきそうだった。
死んで暗い土の中。
陽はあたらないし、湿気だらけ。
こりゃ空気をおかしくして、訴えたくもなるよな…。
しかし、このまま放置してたら悪霊になりそうだ。
ここまでして、訴えてるんだから。
とは思いつつ、
「俺には何も出来んぞ!」
と言っておいた。
鳥男みたいに来られても困る。
でも、御先祖様達も陽にあたりたいんだろうな…そんなこと思った。
怖い話投稿:ホラーテラー 元業担さん
作者怖話