短編2
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お姉ちゃん

私がまだ幼かった頃、実際に体験した話です。

私には2歳年上の姉がいます。

私が3歳、姉が5歳ぐらいのときでした。

当時、私達は

姉が二段ベッドの上の段で寝ており、下の段には誰も寝ていません。

その姉のベッドの横に敷き布団をひいて、私と母が寝ていました。

その日、私は寝つきが悪くて

家族が寝静まっているにも関わらず、目が冴えていたため

真っ暗な部屋の天井をジッと見つめていました。

すると隣の二段ベッドの上から、姉がヒョコッと顔を覗かせて

「どうしたん?寝られへんの?」

と聞いてきたのです。

私が寝られないと返事すると、

「じゃあ、隣の部屋に行って絵本を読んだげるよ。」

姉はそう言うと、二段ベッドのハシゴをつたって降りてきて

私の手を引っ張り、隣の部屋に連れて行ってくれました。

「どの本、読んでほしい?」

本棚の前で姉が聞いてきたので、私は前から気に入っていたお姫様の本を選びました。

そして床に絵本を開いて

私はお姉ちゃんの隣で寝そべりながら、お姉ちゃんが読んでくれる物語をおとなしく聞いていました。

しばらくして、いきなり視界がパッと明るくなりました。

驚きながら顔をあげると、そこには母が立っていました。

すると母は私にむかって

『あんた、何してるの?』

と驚いた様子で聞いてきました。

「お姉ちゃんに、絵本を読んでもらってたの〜」

そう答えた私に母は“?”って感じで

『お姉ちゃんは寝てるでしょ。早く戻るよ』

そう言われて隣を見たら

さっきまで私に絵本を読んでくれていた、姉の姿がなかったのです。

でも確かに私の目の前には絵本があり、絵本のページも進んでいました。

『何してるの?早く絵本なおして、寝るわよ。』

母にせかされた私は、絵本をなおし

母に手を引っ張られながら寝室に戻りました。

寝室に戻ってみると、確かに姉がスヤスヤと寝ていました。

当時の私はその事に関して、別段気持ち悪いと思うこともなかったと思います。

けれど今思えば、誰が私に絵本を読んでくれていたのか少し気になっています。

あと…、

あの日母が私を探しに本棚のある部屋に来た時ですが

母は来たと同時に部屋の電気がついたと言いましたよね?

じゃあ私はそれまで真っ暗闇の部屋で絵本を選び、読んでもらっていた事になるのです。

今思えば、それだけが少し不気味です。

以上で私の体験談は終わりです。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

初めての投稿だったので、文章も読みにくかったと思いますがご了承くざい。

怖い話投稿:ホラーテラー ピーさん  

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