続きです。
ママンは続けた
マ『着いて早々、ギョギョギョ~、花萎れてるし~wwって』
詳しく聞けば、飾られてた花達はかなり萎れた状態だったらしい。
水分0%の茶色のカサカサというより、急激に現在進行形で枯れ続けてるって状態だそうだ。
つーか、常識ある真っ当な宿泊施設ならばあり得ん事態。
予約してた客に対し、部屋に萎れた花を飾ってるなんて、クレームして下さいって言ってるようなもんじゃねーか。
マ『でな?【床の間】の壁…壁っていうか、なんていうんかなぁ~?【床の間】のスペースだけ真っ黒やねん』
俺『汚れてたんか?』
マ『いんや~、普通よ。部屋も暗いんやけど、特別暗いんよな~』
俺『…光の当たり具合ちゃうん?』
マ『【床の間】のな、天井から床まで全体が何か暗ぁて、まぁ真っ黒な壁に見えたわ~』
俺『…』
俺は少し想像してみる…。
宿泊先のホテルで、
案内された部屋は、室内全体が薄暗く…
花瓶に飾ってる花は萎れ…
【床の間】を真っ黒な影が埋め尽くしてる様を…
そんな部屋に通されたら…
俺なら\(^p^)/ってなる。
俺『…完全にアウトやろ』
マ『そうかなぁ~?、別に怖ないし』
尋常じゃない鈍さだ…。
マ『そいに誰も何も言わへんし。あぁ~やっぱりママの気のせいやね~って思てん』
俺『…思うなよ』
とりあえず…
下にママンの記憶を頼りに、当時の部屋の間取りを再現してみた。
↓床の間
|=| ̄ ̄∥■■ ̄| ̄|
|玄 ∥ |
|関 襖 |
| ̄ ∥ |
| ∥ |
|洗面 ∥ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄窓 ̄窓 ̄
こんなんらしい。
3人で寝るには充分なスペース。
部屋も結構広くて、窓も割と大きく、快適と言えば快適な和室らしい。
俺『ほんで、どないしたん?』
と、真剣に聞いたが…、
マ『花枯れてるくらい、何てこたぁないわな♪』
と、サラリと流したんだそうだ。
そして、荷物を置いたら、そのまま部屋を後にして、他の先生方と合流し食事をしたそうだ。
素人目にもハッキリと判るくらい、明らかに部屋全体が異常な雰囲気を醸し出してるにも関わらず、クレーム1つしないまま部屋に泊まったママン御一行に…
俺は少しヒーロー的な強さを感じた。
マ『せやけどな~?、その日の晩が、もう大変やったんわぁ~』
俺『…でしょうな』
まだまだ続きます。
怖い話投稿:ホラーテラー 黒ナギさん
作者怖話