はじめて投稿しますので、乱文等ご容赦ください。
実体験です。
そしてあまり怖くありません。
3年ほど前の話です。
私と友人のKは、よく夕方から深夜まで遊びに出ていました。
東北の都会でもなく田舎でもない地元なので、することと言えば無駄にドライブに行ったり、どこかに駐車してくだらない話をするくらいでした。
ある日の深夜、いつものようにKに送ってもらった時。
私の家の隣にはアパートがあります。
そのアパートの一室の窓、カーテン越しに両手を広げた人のようなモノが写っていました。
私「おいK…あれ…」
K「あ?…なんだありゃ…」
私「人…じゃねぇよな?」
K「人じゃねぇべ…形がヘンだろ…」
それは、確かに人が両手をピンと伸ばしているようにも見えましたが、おかしな点がいくつもありました。
まず、体全体がそうですが、広げた両手の先がなめらかな曲線を描いており、細い事。
大げさに言えば細長いカラーコーンのようでした。
それに、下半身の細さ。
腕から下が異常に細く、もはや人の形ではありません。
最後に、頭。
髪の毛の影は全くなく、ボウリングの玉のような形状をしていました。
全体の見た感じを例えるなら…
カカシ
案山子でした。
これだけならば、ただの置物かと思うのですが、その頭がゆっくりと動いているのです。
まるで辺りを見渡すように。
私「なんかヤバいんじゃねぇ?」
K「ヤベェだろ…早く帰るべ?」
私「んだな…んじゃな」
私がKの車を降りようとしたその時。
それは動きはじめました。
腕が頭が体が
人としてはあり得ない体なのに、どこか人のように動きはじめました。
やがてそれは、人が動ける範囲とスピードを易々と越え、窓がひらいてカーテンが風になびいているのに物音一つせず暴れはじめました。
私「…!! 出せ!!早く車だせ!!」
K「……!!」
私「行け!!早く!!」
Kは猛スピードで車を発進し、数キロ離れ公園に駐車しました。
真っ青になった私に、同じく真っ青になったKが問いただしました。
K「いきなり叫ぶなや…びっくりすんだろが…」
私「おめぇ…気付かねぇのか?」
K「あぁ?」
私「窓…最初は開いてなかっただろが…」
怖い話投稿:ホラーテラー くろさん
作者怖話