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中編5
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閻魔大王様

去年の夏、

暑くて死にそうなのに親父が山登りに行こうと言い出した。

暑くて死にそうなのにと思いながらしぶしぶ出掛ける。

親父が車の中で、

『これから行く山は、昔閻魔大王様が住んでた山なんだぞ』

と言っていた。

軽く無視してたら山に着いてた。

山は、登山用ではなく、ジャングルみたいだった。

『こんな山、登りたくないよ』

『普通の道で行ったら、何時間も待たないと行けないぞ、我慢しろ』

と言いながら親父は山に登って行った。

慌てて後を追うおれ。

1時間くらい歩いたら、お約束の

親父『やばい、迷った。』

おれ『マジで?どうすんのよ?』

親父『仕方ないから、お前は待ってろ。父さんが道を探してくるよ』

マジでしんどかったおれは、

『わかったから早く行けよ』

と言って待つことにした。

中2だったおれは、[世界で一番強いのは俺だ。]

と思ってたから親父が消えたのを確認すると一人で山道を歩きだした。

しばらく歩くと古い地蔵があった。

『なんだこれ?』

と思い気にせず歩くと、前にも地蔵が。

気持わるいので、他の道を行こうとすると、小屋をを発見。

中に人がいるみたいだ。

小屋き近寄ってみると、中には、たくさんの人がいるみたいだ。

笑い声が聞こえてくる

『だから言っただろ?地蔵を壊すなって』

『うるせぇ、わざとじゃねぇんだからいいだろ!!』

『故意じゃなくても謝ったほうがいいぞ、閻魔大王様の祟りにでもあったらどうすんだ?』

『黙れ!!俺は悪くないんだよ。それ以上しゃべると撃ち殺すぞ』

『わかったよ、銃を降ろせ。』

『とりあえず、みんな壊れた地蔵のとこに行こ。』

『わかった、行くぞ』

みたいなことを言いながらゾロゾロ小屋から出てきた。

みんな50代のオッサンだったけと、一人だけ顔が真っ赤な爺さんがいた。

列の最後のほうにいて、うつ向いてる。

全員がどっか行ったの確認するとおれは小屋に入った。

天井から太陽の光が差し込んでるだけでなにもない。

ふと壁を見ると、猟銃が置いてあった。

おれは、猟銃を持って小屋を出て、もときた道を戻っていった。(猟銃を持った訳は、エアガンしか触ったことがなかったので猟銃でウサギでも射ってやろうと思ったから)

すると、壊れた地蔵の近くにさっきのオッサン達が一人のオッサンを囲んであたふたしてた。

おれは、どうしたんだろうと思い近くに行くと、顔が真っ赤な爺さんがすごい勢いでふりむいた。

『うわっ』

思わず声をだしてしまい、オッサンたちがこっちを見た。

『誰だ、お前?』

『見たか?』

いきなりの質問にびっくりして、

『黙れ!!射つぞ!』

と猟銃を向けてしまった。

オッサン達は、慌てる様子もなく、

『猟銃を降ろせ、すぐに帰れ、ここで見たこと聞いたことは、すぐに忘れろ』

と言ってきた。

見たこと?聞いたこと?

訳がわからなく、思わず猟銃の引き金を押してしまった。

バーンと真っ赤な爺さんに当たってしまった。

『やばい。うっちゃった。刑務所?、死刑?、終身刑?』

などと考えてると、オッサンの一人がおれの頬を殴った。

思わず猟銃を落としてしまい尻餅をついた。

『バカヤロウ!当たってたらどうすんだ!!』

怒鳴られ混乱するおれ。

『当たってたら?』

真っ赤な爺さんに当たったはずだ。

その瞬間。オッサン達に囲まれてた一人のオッサンの姿が見えた。

胸の辺りがズタズタになっていて、顔が無くなってる。

思わず

『ひっ』

と叫んでしまった。

すると、真っ赤な爺さんがいきなりよってきた。

 

真っ赤な爺さんが近寄ると頬を殴ったオッサンがいきなり

『いますぐ山降りろぉ!!絶対に振り向くな!!』

と叫んだ。

おれは、訳がわからず全力で走った。

途中で何度もこけたけど、絶対に振り向かなかった。すると、後ろから足音が聞こえる。

ザッザッザッザッ。

速い。

当時、陸上部の副キャプテンで短距離の全国まで行った俺でも追い付かれそうだ。

そして、足音が真横まできたときに、思わず振り返ってしまった。

!!!!!!!!!!!

真っ赤な爺さんがすごい形相で追っかけてた。

それでもびっくりしたけど、もっとびっくりしたことがあった。

真っ赤な爺さんの後ろに、オッサン達がいた。

真っ赤な爺さんに引っ張られる感じでついてきてる

真っ赤な爺さん『待てぇぇぇガキぃぃぃ』

おれ『うわぁぁぁぁぁ。寄るな化物!』

すると目の前に大木が。

ドンッ!!!。

大木にぶつかって気を失った。

目が覚めると、空は真っ黒だった。

何時だろうと携帯を開いた瞬間に固まってしまった。

自分を囲むように、さっきのオッサン達がいた。

そして奥のほうに真っ赤な爺さんがいる。

『やっと起きたか。』

爺さんが言った。

いきなりの言葉にびっくりした。

携帯を見ると、午後9時。

おれ『あんた誰?』

爺さん『お前、なんでわしらの姿が見える?、なんでわしらの声が聞こえる?』

おれ『知らねぇよ。あんた誰?』

爺さん『わしらは、閻魔大王様の近幡じゃ』

おれ『はぁ?』

爺さん『ここは、昔閻魔大王様が住んどった。300年も前じゃがな』

おれ『何言ってんの?ボケた?』

爺さん『久しぶりに来てみれば、このありさま。閻魔大王様を封印してる地蔵も壊れてた、もうこの世は終わりじゃ』

おれ『地蔵?』

爺さん『お前も見たじゃろ。あれを壊した人間を犧にして閻魔大王様を沈めてたんじゃ、そこにお前が』

おれ『なに言ってんのか訳わかんねぇんだけど。』

爺さん『閻魔大王様は、恐ろしい緒方じゃ。善も悪も関係なくみな地獄行きじゃ』

おれ『一人でなに言ってんの?もう帰っていい?』

爺さん『ここで見たこと、聞いたこと、すべて忘れろ。いいな。でないと貴様が閻魔大王様の祟りをくらうぞ。』

と言われて意識が無くなった。

目が覚めると心配そうな顔の親父がいた。

親父『大丈夫か!?お前、3日も行方不明だったんだぞ!!』

おれは、状況が呑み込めないまま、車に乗った。

車の中でおれは、親父に聞いてみた。

おれ『この山、閻魔大王が住んでたの?』

親父『そうだ、昔閻魔大王様が善も悪も関係なく次々に地獄に落としていったから、近幡(そっきんと読むらしい)達が地獄のしたの地獄に封印したらしい。そのときに地蔵を使って封印したらしい。地蔵がどっかにあるかもな』

親父は、そこまで言って黙ってしまった。

おれ『親父は、おれが3日も行方不明だったのに、なんで怒ったり警察に行ったりしなかったんだ?』

思わず聞いてしまった。

親父『聞いても、お前は教えてくれないだろ?それに世の中には知らなくていいことがたくさんあるんだ。』

ふと右を見ると山が見えた。

山頂から5メートルくらいの身長の真っ赤な顔のオッサンがおれの家に向かってジャンプした。

おれは、静かに目を閉じて一眠りした。

終わり。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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