初めて
投稿させていただきます。
私の周りには、霊感の強い人が多いんです。
だから、
『ね、見た?あれ。』
『今、見えたね。』
なんて、しょっちゅうあります。
私は見えないんですが…
そんな私が、社会人になりたての話なので7年くらい前になりますが
今でも思い出すことがあります。
怖くない話です。
7年前、法人相手の営業を初めてやることになり とにかく色々な会社を歩いては自社商品の売り込みをしていました。
月ごとに、今月はA市
次の月は、B区
2ヶ月連続 C市などでした。
電車の定期を買っておくと、とても便利だったので月ごとに定期を買い替えていました。
ある日、初めて訪れた町のある駅で定期を落としました。
片手に携帯、片手にカバンを持っていたことが原因とは思います。
『あ…』
と、後ろを振り返り拾おうとしたら
40代くらいの痩せ型でスーツを着た男性が拾ってくれました。
『す、すみません。』
と、慌てて
その男性に手を伸ばし定期をもらおうとしたら、
『○○くん…だよね?』
と、言われ ビックリしました。
いきなり名前を呼ばれたので固まってしまいました。
『ほら、僕だよ!先日お世話になった○○だよ。覚えてる?』
そこで初めて、先月B区を担当したときの小さな会社の専務さんでした。
『先日は、どうもありがとううございました!』
と、挨拶をしました。
すると、専務さんが
『じゃ、次の電車に乗らなきゃいけないから』
『では、またお伺いさせて頂きます。』
と、言うと
『また、今度』
そう言うと、改札口に向かっていった。
いやー奇遇だな。でも、お客様の顔を忘れていたのは、ダメだなー。
と、反省しながら
初めての町を散策しながら会社を訪問販売していった。
それから、1年たったある月
また 来月からB区の担当になるという話を上司から聞いた。
その時、駅でばったり会った専務さんを思い出した。
そういえば会社の住所が思い出せない…
契約書を、引っ張りだせばわかるけど
めんどくさい。
販売した商品のメンテナンスと言いながら、もういくつか販売しようかなと画策してました。
が良かった専務さんだったので、景気がよければいけるはず。
勝手にそう思っていた。
そう思うと、
住所を調べておかないと気がすまなくなり
結局、昔の資料を倉庫で探すことに。
めんどくさい。
そして
『…嫌だ…』
倉庫は、電気をつけても暗いので好きじゃない。
B区の資料は、すぐ見つかった。
えと、あ、これか。
ちなみに、B区は
福岡県福岡市中央区
株式会社 ○○
担当者○○
福岡市中央区○○
あれ?
そこで、気付いたのは
○○会社に販売したのは間違いないのですが
あちら側の担当者は社長て、書いてありました。
あれ?
専務じゃなくて社長だったかな?
だいぶ前の契約だったので、覚えていない。
名前と、顔は一致するけど役職を間違って覚えてたようです。
そして、月日はたち
中央区の例の会社に寄ろうと思い、
夕方6時くらいに
『遅いけど…たぶん誰かいるだろうな』
と、地図を片手に その会社ビルへ向かいました。
ビルに着くと、1Fの管理事務所と4Fの金融屋は電気がついていましたが
2Fの例の会社は、電気がついていませんでした。
『このビル…だよな…』
と、キョロキョロしていたら事務所から
管理人らしき人が出てきました。
『すみません、何かご用ですか?』
と、おばちゃんが出てきました。
『あの、すみません。○○会社さんに用事があったので来たのですが…』
と、言うと
『あ、移転したよ。』
そっか、移転したのか…
また出直すか。
『すみません、移転先ってわかりますか?』
と、聞き返すと
『どうかな…もう移転して3年以上たつから、わからないかも…
ちょっと待ってて』
と、小走りで事務所へ戻りました。
『え…』
『3年前に移転?私が、ここに営業にまわったのは2年前なのに…』
管理人さんの間違いかな…と、思ったのですが
『ごめん、お待たせ』と、移転先の書類を見ると確かに3年前に移転していました。
全然 理解できないことでした。
その後、移転先に行ってみたのですが
倒産をしたようで 新しい別の会社が入っていました。
不思議なことが、あるんだなと…
怖い半面、初めての不思議な体験でした。
実は、その後
倒産した○○会社のホームページを見つけたのですが
見覚えのない顔写真が、ずらっと並ぶ従業員の写真の中に
専務だと思っていた方の写真がありました。
でも、白黒の写真で
《会社創設者 ○○》1905〜1982 年
が、その方でした。
怖くない話じゃないのですが
不思議な体験でした。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話