早朝・・・
辺りはまだ薄暗く、街頭はまだ灯っている。四人は市街地から少し離れた公園で談話する。
J『一応片付きましたね!一時はどうなる事か、と心配しましたが・・・とりあえず皆が無事でよかった!』
N『そうですね!自分は途中参加だったけど・・・貴重な経験が出来てよかったです!!』
A『皆さんには本当に感謝してます!マジですいませんでした!』
P『お礼は・・・約束覚えてますか?ススキノ・・・ォゴリ・・・』
N『ん?何ですか?ススキノゴリって!』
J『Pさん、とりあえず一度解散しましょう!!私はAさんを家まで届けて来るので、NとPさんは此処でもう少し待ってて下さい!』
J(Pさん・・・チャンスを活かして下さいね)
ニヤリ
AとJはバイクに乗り、その場を後にする。二人きりになるPとN・・・
ドックン!ドックン!ドックン!ドックン・・・
ユジン、逢いたかったよ!ヨォ〜モニィ〜♪
P『あっ!すみません。ちょっと電話してきます。』
Pの携帯の着信音は「パチンコCR○ソナ2」だった・・・PはNに会話が聞こえぬ様、少し離れる。
〔通話〕
?『そろそろ片付いた頃だと思っていたが・・・電話に出るという事は・・・』
P『はい!任務達成です!ただ・・・最初に聞いていた話と・・・かなり手強い相手でした。また後程、ご報告します!』
?『何だ?急ぎの用事でもあるのか?』
P『ぴちぴち・・・大事な後始末がありますので・・・それでは・・・』
?『ピチピチ?おっお前!ぉぉおおおお!』
〔通話終了〕
P(そういえば、あの人も好きだったなぁ〜若い子!邪魔者退治完了♪)
一方的に会話を終了させ、携帯をマナーモードに切り替えつつNの元へ戻るP。一人ベンチに座るNに野獣が近寄る・・・
N『なんだか・・・Aさんっていいですよね♪守りたくなるっていうか・・・』
P(・・・ってオイ!すでに俺は敗北兵か・・・)
P『でっ、ですよね!』
戦意喪失のPと恋する瞳のNはその後、特に会話を交わす事無くJの到着を待った・・・
15分後・・・
J『お待たせしました!ってPさん、どうしたんですか?』
P『・・・ノ・』
P『・・キノ・』
P『ススキノォォオオオ!!!』
JとN『・・・・・・』
J『わっ、分かりました!明日必ず・・・Nはもう帰っていいよ、今日はホントに助かった!また連絡するから!』
N『了解!お疲れ様でした!!』
一足先に退散するN。公園に残るは野郎二人。
J『私たちもそろそろ・・・Pさんは何処に送ればいいですか?』
P『Jさんの家に・・・泊めて貰っていいですか?』
あつかましいP。かたや紳士なJは何も言わず、首を縦に振る・・・
ドドドドドドド
早朝。朝日がゆっくり昇り、街灯が消え始める頃・・・四人は帰宅した。
同日夕方・・・
J宅にて野郎二人は爆睡している。一連の騒動に体力をかなり消費したのだ。
ヴゥゥーン!ヴゥゥーン!ヴゥゥーン!
Pの携帯が動く。この音に反応し起きるP・・・しかし、電話には出ない。Jの部屋を見渡し、紙とペンで書き置きを残す・・・
Jさんへ。
泊めて頂き、ありがとうございます。私はヤボ用の為、失礼ながら出掛けさせて頂きます。ススキノの件につきましては、AさんとJさんにお店のセッティングをお願い致します。後程、ご連絡下さい。
P
P(よし!行くか!!)
PはJ宅を離れる。人気の少ない場所を探し、小さな空き地を発見。辺りに誰もいない。着信履歴よりリダイヤル・・・
〔通話〕
P『もしもし、コードネームBPTAです。報告が遅れ申し訳御座いません。それでは早速・・・』
?『ちょっと待て!まずはピチピチの報告を頼む。』
P『はっ!それでは、年令推定二十代前半。黒のライダースーツを・・・(省略)』
?『結果は?』
P『惨敗です!以上でよろしいですか?S!』
S『よろしい!では本題を・・・』
P『はい!標的「ヨウイヅミ」。都市伝説として広がりつつあったM家の呪い。当初の予定通り、存命する長男Aに接触成功。体内に男女二名の霊魂を宿し、性格等が一時混乱するも討伐完了後には安定。』
P『更に一般人二名の協力を得て現地に武器材料を調達。神塩「ドッゴ」を調合した爆弾にて「ヨウイヅミ」を昇天。私の見解ではM家の呪いは完全消滅だと・・・』
S『おおおおお!実に興味深いですねぇ。二日以内に本部へ帰還し、報告書の作成を。今日は・・・ネオン街を堪能して下さい。以上。』
P『了解しました!』
〔通話終了〕
Pは討伐報告完了後、繁華街へ向かう。
ざわっ・・・
〔ハヤク・・・〕
【人物紹介】
A・・・M家の呪いを受けた男性。涙もろく低姿勢。長年の呪いから解放され生還。
J・・・数名の後輩から慕われる男性。感情表現が豊。スコップを使い健闘し生還。
N・・・男勝りな性格、魅惑のボディを持つ女性。鐘を使い、数多の危機を回避し生還。
J・・・某研究機関の上官。「シビト」なる諜報員に指示を与え、怪奇現象の真相追求を趣とする。
P・・・コードネームBPTA。「シビト」として各地を転々とする。過去に数多の悪霊と対峙する。現在背中に・・・
同日夕方、其の二・・・
Pの目覚めより遅れる事30分。深い眠りから覚めるJ・・・Pの書き置きを見てA連絡をとり、ススキノ計画を目論む。
同日夜(繁華街)・・・
三人が初めて揃った場所に集まるは・・・AとJ・・・・・・そしてN。Nにとってススキノは如何なものか?と話し合ったAとJだが、祝杯なので夕食は一緒に!と判断し召集した。
Pへ連絡するJ・・・しかし繋がらない。が一件の新着メールに気付く。送信者はP!
ごめん。すこしおそくなりそうだからさき
三人は内容を確認し話し合う。きっと、あの人ならその内連絡してくるだろう・・・彼がススキノを諦めるはずがない!!三人は一先ず、予約済の飲食店へ向かい歩きだす。
同日夜(郊外某所)・・・
土地勘のないPには此処が何処なのか分からない・・・夕方に・・・パチンコに行って・・・それから換金して・・・メールを・・・
ズキン!
Pは頭を押さえる。更に手をみると・・・血?
ざわっ・・・
Pの背中に悪寒が走る
〔・・ク・・・〕
〔ハ・・・エ・〕
〔・ヤ・・・ロ〕
〔ハヤク・・・〕
〔ハヤクキエロ〕
今まで以上に聞こえる声・・・一人ではない・・・複数。思わず振り返るが、気配は感じるものの、誰もいない・・・・
リュックから塩を・・・・・・!!!リュックがない・・・
ドガッ!
鈍い音がなりPはふらつく・・・そして暗闇より人影が近付く・・・顔中に包帯を巻く男・・・手には水晶を持ち、ブツブツと何かを唱えている・・・
頭部に打撃を受けた事で、意識がモウロウとするP・・・
ドンッ!
追い打ちを掛けるかの如く背中を押され、地面に倒れ込む。
グヂャ!
右腕に激痛が走る・・・見えない何か鋭利なモノが刺さる・・・
ドガッ!
右膝が・・・鈍器の様なモノで殴られ皿が割れる・・・
ッンゥガァァア!!
叫び声が虚しく響く。
ドズッ!グヂャ!ギヂィ!ギュビ!
背後より内蔵を標的に刺さったモノを、何度も・・・血肉を掻き混ぜ、抉りとる。
ッンゴォ!
吐血し、全身の痛みに震え、ある箇所は痙攣を起こす。目は霞む・・・血が足りない・・・
水晶を持つ、顔中に包帯を巻く男は語る
『シビトよ・・・ツメガアマカッタナ・・・オヌシは・・・此迄幾人に苦痛を与え、キョゼツトハイジョヲクリカエシタか自覚しているか?痛ムカ・・・ソノ苦痛こそがオヌシの罪。我はソノチカラを増幅さセる者。心の臓ト頭は無傷ダ・・・最後の刻マデ苦しミ続けるがよい!!!』
そう言い残すと、男は再び闇の中へ・・・
P(痛い・・・・・・・・・眠い・・・・・・)
大量の血液を失い、重くなる目蓋・・・
投稿者本人コメント・・・Unexpected【死】に続く
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話
【試】→story6192
【死】→