まだ若かりし頃の話…
当時は飲酒の取締りは殆どと言っていい程なかった。
その日、いつものように友人が車で私の家に来た。
どちらからともなく「飲みに行こう!」となり、行きつけの飲み屋へ。帰宅したのは夜中の1時過ぎ…
「お腹すかない?」となり、車で20分位の場所にあった(現在はコンビニになってる)カップラーメンやハンバーガーが売っている販売機へ。途中小用でお寺さんの公衆トイレ(工場現場にあるような個室の小さな)へ。が、まずここで恐怖体験を。
トイレのそばにあるブランコのひとつが風も無いのに揺れていた。
「〇〇ちゃん(私の名前)
あれ何で揺れてんだ?」
私「判らない…止めて来るよ!」(注/小学生の頃から霊を見ていた私は、正直揺れるブランコ位は怖くなかった)
友人が先にドアを開けたまま用を足し続いて私がトイレに(電気が無い為)
私が用を足していると、友人が震えながら狭いトイレに入って来た。
私「何だよ!狭いから出ろよ!」友人「違うんだよ!ブランコだよ!」
何とか用を足し外に出ると…私が止めた筈のブランコが又揺れていたのだ。
二人して走って車まで行き、急いで販売機へ。
食事も済み、帰りは道を変えようと広い道から帰る事に。
いつもならトラックやタクシーがひっきりなしに走る道が、その日に限り私達の車だけ。
不思議だなぁ?と思いながらもカーステから流れる歌を一緒に唄いながら帰途へ。と、道路の左端に女の人が見えた。
私「あれっ?女の人がいるね?」友人「うん!ナンパしてよ!?」私「嫌だよ…」
とは言ったが、まだ若かったのでしょう(笑)
車を女の人より10メートル位先に止め窓を開けて、「何してるの?送ろうか?」 しかし返事もしません。そしてもう一度「ねぇ!」そこで私は声が出ませんでした。
その人がこちらを向いた時に見たのです。
薄い黄色のワンピースの前が真っ赤な血で染まっていたのを。
友人に「すぐ車出せ!」と指示しました。友人は何も言わず急発進させました。暫くして友人が「後ろー!」と。
私は振り返りました。
何と、70キロ位で走る車のすぐ後を追って来たのです。私は心の中で御題目をあげていました。
後少しで彼女の手がトランクに触れる瞬間、彼女の姿は消えました。
家に帰りすぐ寝ました。翌日、今は亡き母にその話をすると「〇〇君(友人の名前)と一緒に、お花と御線香を持って行って来なさい!」と言われ行きました。(続)
怖い話投稿:ホラーテラー 喜怒哀楽さん
作者怖話