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短編2
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雀の歌(詩)

たまには趣向を変えて詩なんかを、場違いだったらすみません。

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

春の息吹に虚ろいながら

朝の光りに染められながら

雀がチュンチュン鳴いている

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

油断が命を無惨に崩し

無骨な斜面が眼窩に触れる

甘美な痛みが身体を捉えて

残るは昨夜の家族の笑顔

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

そんな彼等を静かに見据え

僕は意識を手元へ探る

しかし視線は不思議と揺れる

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

僕は記憶を彷徨い映す

そこに希望は確かに生きた

今は希望が静かに死んだ

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン叫びだす

僕の身体を啄みながら

僕の目玉をくり抜きながら

そこに群がる自然の享楽

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

彼等は何かを暗示して

僕の死体を崩してく

人知れずに崩してく

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

僕は彼等に問いただす

これが自然の摂理なの?

これが自然のあるべき姿?

雀は何も答えない

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

主役は骸をさらけ出し

役目を果たせず沈み逝く

時と風雨はこの世に別れ

葬儀は無情に終わりを告げた

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン鳴いている

死とした全てを洗い出し

肉体という名の実は消えて

そこに残るは次への種のみ

雀がチュン 雀がチュン

雀がチュンチュン泣いている

潰えた命の享受の中で

僕は心理へ還りゆく

道中雀は泣いていた

チュンチュン雀は泣いていた

雀がチュン 雀がチュン

雀が寂しく泣いている

僕は彼等に静かに呟き

託した命は未来を紡ぐ

これが自然の摂理だね

これが自然のあるべき姿

雀は寂しく泣いていた

雀がチュン 雀がチュン

雀はいつでも泣いている

何処か遠くで命が生まれ

それは見えない自然のことわり

僕の骸が花を咲かせた

怖い話投稿:ホラーテラー 石花さん  

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