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短編2
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マンション

大阪に今現在も人が住んでいるマンションの話。

昔付き合っていた彼の実家は不動産をしています。

お母さんは早くに亡くなりお父さんは一人暮らし。

たまに彼と遊びに行くと喜んで迎えてくれとても優しいお父さんです。

お父さんはお酒が好きでその日も彼と私とお酒を飲みながら話をしていました。

酔いが回りお父さんは

「じゅりちゃん、心霊写真って見たことあるか?」

私が首を振るとお父さんは立ち上がり押し入れの中をごそごそしはじめ私の前に一枚の写真を出しました。

「親父〜それはあかん」

彼はほろ酔いながら制止してましたが私はひったくり見ました。

写真は土を掘った大きな穴の中に石がたくさん顔をのぞかせているものでした。

でも私の目を奪ったものはその写真一面にたくさんの人の白い顔がうつっていることでした。

後ろが透けて見える顔もあればはっきりとこちらを見ている鮮明な顔もありました。

みんな顔が白く口を開けていました。

「これはな、マンションを建てる話が出て山を削ることになったんだけどショベルカーで掘ってたら、これが出てきた。

こういう墓みたいなのが出てきたら市に連絡せんといかん。

その時に撮った写真がこれなんよ。」

お父さんはお酒を飲みながら私に話はじめました。

市から許可が下りるまで工事は中断。

出てきたものがお墓だったので薄気味悪いと現場の人達は口にしていました。

彼のお父さんも霊の存在を信じる人だったのでここにマンションを建ててもいいことにはならない。

そう思ったそうです。

数日経過し許可が下りました。

無縁仏だったそうで掘り返し移動させることでOKが出たそうです。

お父さんは考えて手を引き別の会社に頼みました。

工事は無事だったのか分かりませんがマンションは計画通り建ちました。

1年も経たないうちに入居者の方が首をつり自殺、それから間もなく早産で産まれた子供をお母さんがお風呂に沈め逮捕(精神が病んでいたそう)、続いて飛び降り自殺。

立て続けにありマンションの所有者さんはノイローゼで病院で首をつったそうです。

今は遺族の方がされているみたいですが入居者はほとんど居ないとか。

彼も同じような仕事をしていたので興味をそそり1度見に行ったのだけれど人が住めるような雰囲気ではない。と私に言いました。

年月が経ち古くなったせいもあるが異様に空気が重くマンションの裏に回ると誰が作ったのか小さな祠がある。

祠からマンションを見ていると3階の窓から自分を見ている人が居た。

でも3階に入居者は居ないはず。

エレベータはあるけれど薄気味悪く感じ階段をあがって3階につくと部屋のドアの前に女性がこちらに背中を向け座っていたそうです。

彼は走って逃げ帰りました。

今もマンションには人が住んでます。

格安でもほとんど空いてますが。

怖い話投稿:ホラーテラー じゅりさん  

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