今から20年以上も前の話です。
まだ小学生だった時に、
自転車で20分くらいの場所にある森へ友達3人と遊びに行き、小さな山を下りました。
脇道を進むと直径で10m程の池がありました。
近くの河川と繋がっているその場所で釣りごっこをしたり、石を投げて遊んでいました。
私は浮かべた笹舟を追いかけて奥へ歩いて行きました。
草木を掻き分けて、笹舟を追いかけて下流へ…
一人で5分くらい歩くと友達の声も遠くに聞こえます。
そろそろ戻るかぁ…なんて考えていると、茂みの奥で何かが動いているのが見えました。
私の住む土地では、シカやキツネや熊も出没する事も珍しくありませんので…
そぉ〜っと近づいて見てやろうと思いました。
そこには、池に向かい座っている背中がありました。
深い緑色の何かが確かに見えます。
とっても猫背で細い、緑色のおじさんでした。
横顔は尖った口だけが出っ張る感じで、頭は毛が少し生えてるだけでてっぺんは緑色の地肌が見えてます。
ちっちゃい緑のおじさん?は池をただ、眺めていました。
衣類も身につけず、細い腕には木の棒みたいな物が握られていました。
その異様な光景を眺めていると、私を心配した友達が探しに来ました。
友達も私が立ち尽くすのを見て、動物がいるのだと思ったみたいで忍び足で近づいてきます。
あの緑のおじさん…って友達に指差して教えました。
でも…友達には見えないらしいのです。
確かにそこにおじさんはいるのに!!
私はパニックでその場から逃げました。
友達も後から走って、一緒にその場を離れて帰りました。
それから何年かして、市の建物が出来たりで池は埋め立てられて駐車場になりました。
あのおじさん…どこに行ったんだろう?
って今でも考えたりします。
妖精?妖怪??お化け?
なんだか分かりませんが、不思議な奴はあちこちに居ます。
怖い話投稿:ホラーテラー 坂道さん
作者怖話