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短編2
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この胸の中にいる

こんなことになるなんて思わなかった。ただの夢だと思いたかった。でも夢じゃない。もう元には戻せない。

どうして気付けなかったんだろう。こうなる前に気付けたはずだ。時を戻せるなら戻したい、戻して気付かせたい。こうなってしまうんだ…と、過去の自分に教えてやりたい。

逃げる事しか頭に浮かんでこなかった。。とにかくそこから離れたかった。

だから暗闇のなか音だけを頼りに逃げつづけて、いくら走っても疲れない自分の体に怯えながら、誰がどこに隠れてるかすぐに分かってしまう妙な感覚に気が狂いそうになりながら…あぁ、やっぱり人は簡単に悪魔になれるんだ、神様はいないけど悪魔はいる、だから人は神様を信じたがるんだ、と…僕は声を殺して泣いた。

きっと僕だけじゃない。本当はみんなも分かってる。神様は僕らが作った。自分たちが悪魔だってこと知ってるから神様を作った。だからみんな善人でいられるんだ。

そう悟った以上はもう何も信じられない。なら素直に従おうと思った。

向こうから誰か来てる。まだ僕に気づいてなさそうなので、そっとそいつに近寄って首筋らへんを刺して殺して、僕は泣き止むためにちょっと笑ってみた。

そうだ。僕らは自分たちが怖いんだ。怖いから守ろうとするんじゃないか。だって何を考えてるか分かったもんじゃない。

怒りや憎しみだけだ。本当に信じられるのは。本当に伝わってくるのは。

そんな真っすぐな気持ちにハンパな気持ちで応えたりしちゃ相手に失礼だ!

僕は二人目を適当に決めて喉を切り裂いて血を吹くそいつに向かって深々と礼をした。

これが僕らの本当の姿なんだ。きっと僕は今のぼくで決して何も間違っちゃいない。それを必死に抑えつけるのも大切だろうけど、たまにはホントの僕を満足させてやらなきゃダメだ。ソレも当たり前のコトじゃないカ!

僕はぼくが満足するまでとっくに死んでる三人目を何回も何回も突き刺したりした。

なかなか満たされないもんだなぁ。どーすれば満足するんだろう?なぁ、どうしたらオレの中にいるお前はウソっぱちのボクに戻れるんだ!?

なぁなぁ!もう分っかんねぇょなぁ!!

…そっか神さまだ。悪魔ときたら、やっぱ神様だよな。

ここか、まだこの中にいるか?ココにいんだろが。出てこいよ。

出てこいよ…!!

…出てこないんなら…

エ グ り 出 し て ヤ る よ

※以前見た夢にアレンジ加えた創作です。

超長駄文の読破、感謝!

怖い話投稿:ホラーテラー Yunkieさん  

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