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短編2
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赤い眼

ある男の人が古い小さなアパートに住んでいた。

そのアパートは二階建てで

四部屋 階段 四部屋

というつくりになっている。

男の人は二階のいちばん南の端っこの部屋に住んでいた。ちなみに隣部屋は空き部屋だ。

最近男の人は仕事に終われ帰るのが遅くなっていた。

夜の1時頃にアパートの階段を疲れたなあと想って、あがっていった。

階段をのぼりきり、廊下を歩いていると、自分の隣の部屋の前に大きなサングラスをし、マスクをし、帽子を深くかぶった髪がものすごく長い人が座っていた。

忙しい間に引っ越してきたのかなと思い、挨拶をすると、その人も無言だがコックリと頭を下げた。

長い髪や鼻筋が通った横顔や座り方からも女の人だなと思った。

そして部屋に戻り、朝になり仕事場へいった。

夜の1時や2時頃に帰ると毎日、その女の人は隣の部屋の前に座っている。そしていつも挨拶を交わす。それが一週間続いた。

しだいに男の人はその女の人に惹かれていった。

ある日曜日、仕事が休みだったので部屋を片づけていた。部屋のものをどけていると女の人の部屋が見える小さな小さな穴を見つけた。

男の人は誘惑に負け、なかを覗いてみた。

あれ?と思った。女の人がなにか洗いものをしているとか、かわいらしい部屋を想像していたのだが、赤い。なにもかもが赤い。赤が好きなのかと単純に思ったが、いくらベッドも壁も床も椅子も机も赤にしたところで、赤にも濃淡があるはずだ。それが全くなかった。

気味が悪くなり見るのをやめたが、それから何回も見てしまった。が、いつみても部屋は赤かった。

1ヵ月がたち、大家さんが家賃を取りに来た。大家さんとは仲がいいので、世間話をした。

「あ、最近ぼくのとなりに女の人引っ越してきましたよね〜」

「女の人?」

「え?ええ。髪の毛が長い…。あの人の部屋、なんだか赤くないですか」

「ああ!あの人ね!いや、赤いのは部屋じゃなくて眼じゃないですか」

その時男の人は気絶しそうになった。

じゃあいつも部屋をのぞいていたときに見たあの赤色は…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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