就職のため上京してきた時の話です。
初めての1人暮らしにワクワクドキドキしながら、アパートに引っ越しました。
借りたアパートは、家電とベッドがついていて、引っ越したその日から生活出来る感じでした。
引っ越しが終わり、僕は近くのスーパーで買い物をして、買ってきた物を冷蔵庫に入れようとしたのですが、冷蔵庫の中に何やら変な物を見つけしまいました。
それは、一本のカセットテープでした。
(前の人の忘れ物かな?)
僕は単純にそう考えました。
音楽か何か入っているのかと、僕はラジオを聞く為に買ったテープレコーダーで、そのカセットテープを聞いて見ることにしました。
テープを再生すると、若い女の人の声が流れてきました。
(…うう…うう…さむっ…寒い…寒かったわあ…あら、あなたが冷蔵庫から出してくれたのね…ありがとう…やさしい人ね…)
不気味なテープの声はそう言ったのです…
テープの声は続く…
(うふふ…ねえ…ちょっと後ろを向いて見てよ…)
まさか!僕の後ろに…この女の人が立っているのか?
何?これは霊的なことなの?
様々な考えが頭によぎり、僕は恐々と後ろを振り返りました…
だけどそこには何もいませんでした。
テープの声はまだ続く…
(うふふ…じゃあ今度は前を向いて…)
僕は言われるがままに前を向きました。
だけどやはり何もいません…
(うふふ…じゃあ最後に上を向いて…)
テープの声が言いました。
僕はゆっくりと上を向きました…
その時、テープの弱々しい女の人の声が急に大声に変わり、甲高い笑い声と共にこう言ったのです…
(あははは…何もいる訳ねえだろうが…馬鹿じゃねえの…)
……僕は、ただただテープレコーダーを見つめて唇を噛みしめました…
僕が何をしたっていうんだい!
こんなんでこれから東京て仕事が出来るのかと不安です…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話