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短編2
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剣道の悲劇

これは俺が高校の時の話や…

俺は剣道部と空手部の主将やった。

俺は物心ついた時から孤高の武人を目指していた。

それは今どうでもええ話やな。

剣道部は体育館の端でやってる小さな部活やった。

俺は校長やら何やらに部室と練習場所の提供を直談判したが適当にあしらわれた。

俺はキレた。

俺「この俺の部活を粗末にするな!」

結論から言うと旧校舎の体育館を借りれた。

俺は毎日後輩達と練習に明け暮れた。

ある日事件は起きた…

部員の1人が練習中に悲鳴をあげた。

俺は「やかましいわい!」とキレた。

しかし悲鳴は次々とあがる。

いつもなら俺がキレたらみんな縮こまる。どうもおかしい。

俺は部員達が窓を見ているのに気付いた。

俺は驚愕した。

焼けただれた学生達が覗いてやがる。

俺は怖じけつかずに「何があったんや!火事か?」と窓に駆け寄ってみたが近づくと学生達は消えた。

俺は「冷やかしか~?」と叫んでみた。

そして部員達の方を一瞥して「あんな野次馬は気にするなよ~」と言った。

部員達は黙ったままだ…

背後に冷たい気配を感じた。

振り返る…

俺は“ヤツ“と目があった。

「馬鹿な…」

ヤツは激しい憎悪の眼差しで俺を見やがる。

部員達の前で無様な格好は出来ない。その意識が俺を支配した。

「バカモン!帰れ醜いケロイド野郎め!」

と怒鳴った!

刹那。俺の顔をヤツの手が掴んだ。

熱した鉄の棒で触られた感覚が顔中に走る。

「む~んしぇーっ!」

意識が遠のいて行く中で俺は悲鳴をあげた…

俺たちは気を失っていたところを救出された。

その練習場所は火事になった旧校舎の体育館だった。

現れたのは逃げ遅れて仏になった生徒と予想される。

そのまま練習場所を失った剣道部は廃部。

俺は顔に傷を作ったあいつを。

部活を滅ぼしたあいつを。

俺は今でも忘れまへん。

怖い話投稿:ホラーテラー T・コクセンさん  

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