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短編2
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愛珠(乙)

そうか、あの女か!

玉造は怒りをあらわにしながら、部屋に帰ろうとした。

すると、急に後ろから声をかけられた。

『やっぱり、見てくれていたのね、嬉しいわ、あなた。』

振り返るとあの女が汚い口をグニャリと思いきりゆがませながら立っていた。

玉造は急な出来事に腰が抜けそうになりその場にへたり込んだ。

そして、『お前、誰だよ、ふざけた事してやがって、愛珠ってなんなんだ?』

すると女は、

『決まってるじゃないのよ、私の永遠の愛の証よ。』

女はまるで当然といった具合にふんと呟いた。

呆れ顔であっけらかんとしている玉造に女は続けて言う。

『ところで私の声、わからない?』

そういう女の声をよく聞いてみた。

すると、言われてみれば例のアパートの隣室の女であった。

でも顔が違うだろ…

『気づいたようね、そう私よ、諏訪恵』

諏訪と名乗った女は玉造が越した少しあと近くのクリニックで整形したと後に続けて言う。

『なんでなんだよ?お前俺を嫌ってたんじゃないのか?』

そういうと諏訪は言った

『愛情表現の裏返しよ!しかも私はSだからあなたをいじめてて気持ちがよかったわ…』

そんな鬼畜じみた言葉に玉造は絶句する

『くそやろう…、ありえない!』

玉造は女の前につばを吐きかけた

すると、女はそれを屈んでペロリと舐めた

そして一言

『ああ、おいしい、まさに愛の味ね。‐』

その後、に玉造は新築のアパートを出、荷物をまとめ逃げるように田舎へ帰ったのだそうだ。

以上、聞いた話の全容です。

怖い話投稿:ホラーテラー 丑三つ時さん  

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