いつものように学校から帰ってくると、いつもながらかなちゃんが文字どおり先に来ていた。二人は人形遊びやらトランプやらおはじきやらをして夢中で遊んだ。
そしてかなちゃんがいつも帰る時間が来た。
猫の形をした時計は夕方の六時を差している。
夏だったので外はまだずいぶんと明るい。
いつものようにかなちゃんと手を振りバイバイしたケンくんはかなちゃんがどこに住んでるのかなんとなく知りたくなった。
そしてあとをつけることにした。
すると、驚いたことにかなちゃんは自分の家の縁の下にするりと頭から入っていくではないか。
ケンくんは驚き、すぐさまお母さんにそのことを伝えた。
するとお母さんは笑って信じてはくれなかった。その日はケンくんは子供ながら不思議でたまらなかった。
そんなある日の休日、父親が外で車の掃除をしているところにケンくんが話しかける。
『ねえ、お父さん。いつも話してる友達のかなちゃんいるでしょ、あの子ね縁の下に住んでるんだよ?』
そう言うとお父さんはそうか~とまるでサンタのおじさんのようにふぉっふぉっと笑ったが、絶対に信じてなかったと思う。そしてケンくんがお父さんに縁の下見てみようよと言うがお父さんは忙しい忙しいとケンくんの要求をのまない。
なおもケンくんがしつこくせまるとお父さんはわかった、車の掃除終わったらなと困ったような顔で苦笑いをし言った。
縁の下でいち早く待っているとしばらくの時間ののちお父さんが懐中ライトを持ってきた。
『こんなとこ、見たこともないから、なんかこわいなあ』
そうお父さんは言う。
お父さんがライトを点け、からだをかがめ縁の下にもぐりライトに照らされた暗闇の中を這い進んでゆく。
しばらくするとお父さんは少し訝しがりながら漬け物石くらいの古ぼけ黒ずんだ包みを抱え戻ってきた。
『なーに?それ?』
そういうとお父さんは言う。
『奧にな、埋まってたんだよ。ただ包みの結び目が土から出てたから引っこ抜いてみたらこんな包みだったんだ。』
二人は固唾をのみながら何回も何回も結ばれた包みの結び目を苦心しほどいた。
ぱっと粉が待ったかと思うと中からはずいぶん前のものと思われる位牌が詰められていた。
お父さんは即座にそれが位牌だと気づき、何事もなかったかのように包みを包み直し家に駆け込んでいった。
何やら話し込むお父さんとお母さんを見つめながらケンくんはやがて来た警察の人の群れの中でお母さんに聞いた
『ねえ、あの粉何だったの?なんでおまわりさんが来てるの?かなちゃんは?』
いっぺんに聞いたので少々困惑気味の母親だが一言母親は言った。
かなちゃんね、もぐらだったのよ。きっと遠い遠いもぐらの国に帰ったのね。母親はそう言って優しい眼差しをケンくんに向け精一杯微笑んでみせた。‐終わり
訂正‐位牌じゃなく遺骨です。
ちなみにケンは僕のメル友です。
以上です。
長々とすいません。
怖い話投稿:ホラーテラー 丑三つ時さん
作者怖話