■シリーズ1 2 3
…「禁断の地その1」の続きです。
僕「…大丈夫か?」
女の子「全然大丈夫ですけど、気になって…」
僕「…だよね、じゃ、一応肩を叩こうか?」
…これは僕の地域だけかどうかわかりませんが、人に両肩を後ろから叩いて貰う事で、悪いモノを追い出すという風習です。
パン!パン!
肩を叩いた後…
女の子は「肩が軽くなった気がします!」
と、他の車に戻りました。
…気を取り直して、今度は海水浴場に出発しました。
30分くらい海岸通を車で走らせ、いよいよメインの場所に到着です。
この海水浴場は、海に流れ込む川が近くに無い為、透明度が高く、遠くから見ても素晴らしく綺麗でした。
僕「さてと…」
…僕がキャンプ道具を車から下ろそうとしていると
「イャッホー!」
と歓声をあげながら、何人かの男性スタッフが海へ走って行きました。
それを見た他のスタッフ達も続々と海に飛び込みます。
…おいおい、手伝えよ!と思いましたが、今日はキャンプ。
いつも頑張ってくれているスタッフ達の為に、僕一人でテントを張ります。
僕がテントや道具を設置し終わると、スタッフ達が海から帰って来ました。
バイト「店長!ウニっす!ウニ!」
僕「あぁ!それはダメだ!元の場所に戻して!」
…スタッフ達は買物袋にギッチリとウニを採ってきた様です。
バイト「え〜?何でっすか?」
僕「犯罪なの!」
…どうやら「密漁」という事を知らなかった様です。
…夕方になり、皆で火を起こし、バーベキューを始めました。
…ずっと海で遊んでた疲労から、食べ終わってすぐ寝てしまっているスタッフも居ます。
バーベキューをしながら、皆で楽しく話をしていました。
バイト「ところで、肝試しどうします?」
僕「今夜の肝試しだけど、寝てる人もいるし、テントも見張らないとダメだから、二組に分かれてやろう。」
…肝試しの○岬は、海水浴場から車で15分くらいの場所にあり、僕達は二組に分かれて、交代で行く事になりました。
出発前に、少し盛り上げようと
僕「そういえば、その○岬に怖い伝説があるって言ってたよね?」
バイト「えぇ!話していいですか?」
…○岬の伝説…
弁慶と牛若丸で有名な
源義経が、平家の追手
から逃れ、○高地方に
辿り着いた。そこで
ア○ヌ民族の長の娘と
恋に落ちたが、突然
源義経はこの岬から
舟に乗り、外国へ逃げた。
それを知った
ア○ヌ民族の娘は
呪いの言葉を吐き
この岬から身を投げた。
娘の呪いを恐れ、185○年まで、ここは女人禁制の地だった。
…
バイト「こんな感じです。」
…ざわざわ
僕「…怖いじゃないか!」
女性スタッフ「ヤバイんじゃない?」
バイト「でも、俺彼女と何回も来てますよ?昼間ですけど…」
…
少しヤバ目の話だったので、行きたく無くなった女性スタッフ何人かはテントに残りました。
…10名が先に出発しました。
僕は残り、2回目に行く事にしました。
すると…
女性スタッフ「あの…店長…」
僕「うん?なに?」
女性スタッフ「○入り江で、店長に肩叩いてもらった子いますよね…」
僕「あぁ…覚えてるよ?」
女性スタッフ「あの子、○高の出身で、ア○ヌの血をひいてるんです…」
僕「…え!?」
女性スタッフ「ここに来てから何か少し様子が変だったし」
僕「それはマズイよ!もしかしてもう行ったの?」
女性スタッフ「…はい」
…携帯電話を取り出し、先に行った中で、責任感が強いスタッフに電話しようとしました。
…
…?
僕「ちょっと、それどうしたの?」
女性スタッフ「え?」
Tシャツの首元から「それ」は見えました。
女性スタッフ「やだ!何コレ!」
…それは
「アザ」でした。
両肩にくっきりと、人の手の形をしたアザがありました…
…!!
男性スタッフ「うわ!なんだよコレ!!」
女性スタッフ「いやぁ!!きゃああぁ!」
もうパニックです。
僕を含めた全員の肩に「それ」があったのです…
テントの中は一瞬で、阿鼻叫喚の地獄になりました。
僕「落ち着いて!肝試しは中止だ!皆!先に行った奴らに携帯で電話してくれ!」
…
それぞれが恐怖を押し殺し、先に行った連中に電話しました。
男性スタッフ「ダメです!繋がりません!」
女性スタッフ「あの子が着信気づかない訳ないのに!」
…僕もダメでした。
…行くしか
…ないな。
…続きます。
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怖い話投稿:ホラーテラー 店長さん
作者怖話